下がったらチャンス

米の利上げがついに決まりました。
主要通貨対米ドルの為替が急落する中、
唯一下がらなかったのは
米ドルとペッグしている香港ドルです。
香港の金融管理局は昨日(15日)米FRBに続き、
基準金利を0.25%引上げて1%とすることを発表しました。
2006年以来実に10年振りの利上げです。

 

香港ハンセン指数は下落しましたが、

市場予想通りの展開です。

香港市場の出来高も774億HKDと700億台を回復し、
米利上げの影響が織り込み済みだと見られます。

 

上海A株暴落の導火線は、
保険資金の株式市場参入規制だと先日触れていますが、
株式市場に投資できる割合を前期末保有資産の
40%から30%へと縮小することが明らかになりました。

 

一方で株式市場の流動性不足の懸念から、
保険資金の代わりに、昨年から検討されている
年金の市場参入の早期解禁です。
先週、ファンドや保険、証券会社の関係者が
養老保険基金投資管理人答弁に参加し、
入札を含め、運用管理の適正試験を
受けていることが明らかになっています。

 

保険資金に企業の戦略投資家になってもらおうという

思惑で市場参入の門戸が開かれたのですが、
その保険資金がハゲタカになったり、
短期売買を繰り返す市場の「土石流」
(保険業監督管理委員会項俊波委員長)に
なってしまったりという反省から、
年金の市場参入の段取りが加速される見通しです。

 

年金の市場参入も(保有資産の)30%以内と仮定されると、
その額は最大約1兆2000億元、初期の投資規模は
4000億元として、A株時価総額の1%未満となりますが、
参入することに意義があると考えられます。

 

FRBの利上げ決定で、新興国市場からお金は

アメリカ市場に還流されることがほぼ確実となっています。
「トランプ氏就任後、中国株式市場はどうなるのか」
などというご質問を受けていますが、
為替も株式市場も影響を受けることは確実ですが、
外部環境よりも経済の基礎である
企業の業績がすべてだと考えます。

 

中国経済の位置付けについて、「権威筋」が今年5月に
「経済はL字型にある」という談話を発表した後、
人民日報は13日付で、新たに「中国経済新方位」
というコラム記事を発表しました。

中国経済の抱える問題点について、需要側にもあるが、
供給側に問題点が大きいと指摘しています。

その論点は、生産過剰を抱える一方、
ハイエンド製品やキーとなる設備は
依然輸入品に依存していること、
品質が高く、信頼できる製品に対するニーズが高い割に、
国内では入手できず、海外での「爆買い」に
繋がっていることなどが挙げられています。

 

現在進行中の構造転換について、
やせ我慢では乗り切れず、投資けん引も
通用しなくなったとしてイノベーションけん引に切替え、
「汗水を垂らす」経済から「知恵型」経済への
構造転換を強力に進めるしかないと結論付けています。

 

こうした問題意識を近年訪問した企業が
共通して持つようになっているのを感じます。
今後しばらくの間、このような視点で
上場企業を見るべきなのではないでしょうか。
ブラックスワンのお蔭で
下がったら買いのチャンスだと見ています。

 

 

 

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