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深セン、香港ストックコネクト(深港通)の実施案が16日に承認され、対象とされるAH同時上場の株や証券株が翌日上がるどころか暴落をもって市場の追い風とされる深港通を迎えました。

上海、香港ストックコネクト(滬港通)は2014年4月、海南島で開かれたボオアアジアフォーラムで李克強氏により突然発表したもので、市場では突然のサプライズに驚き、翌日指数を始め、香港証券取引所は11.54%、国泰君安証券は10.2%大きく上昇しています。「滬港通」の開通は同年11月17日でしたが、市場へのインパクトは4月の発表当時より大きくトーンダウンしました。

しかし、「深港通」は昨年1月の李克強氏の「発言」以来、すでに1年8か月も経っていますので、今年4月以降いつ発表されても可笑しくない心構えが市場にすでにできております。発表された途端、期待で買われていた関連株が利確優先となって逆に売られる対象となってしまいました。

「深港通」と「滬港通」との最大の違いは、投資総限度額の撤廃ということです。これまで上海株は3000億元、香港株は2500億香港ドルと制限を設けたのですが、これを「無制限」にしたということです。国家戦略的には内陸の市場と香港市場の相互乗り入れを通じて資本の自由な移動を認めることで資本市場の開放を試験的に進め、最終的に全面開放につなげることです。

10月1日には、人民元がIMFのSDR構成通貨としてスタートします。念願の人民元国際化の第一歩を踏み出しています。この時期の「深港通」の承認もSDR採用と同じく、市場開放と人民元自由化の実績づくりだと見られます。3000億元という制限撤廃は海外資本に対していくらでもどうぞという自信の表れだと言えることです。昨日18日、承認発表の3日後に「滬港通」経由の香港株の買い越し額は6月28日以来、23億香港ドルを超え、資金が香港市場に流れていることが明白になっています。前日売られた株はまた一斉に買い戻され、ハンセン指数は年初来最高値の23023まで買われています。昨年のA株市場の大暴落で今年の前半は「修復相場」でしたが、「深港通」の発表は市場に対する失われた自信がついてきたと言えます。

では、これから投資するなら何を選べばいいのか、時価総額50億元以下が対象外なら、時価総額の小さい株すべてがだめなのか、当社発信「中国企業情報」はちょうど8月20日号が前期最終回となるので、9月からの再スタートを迎え、「深港通」対象株を絞って取り上げるように準備しています。日本人投資家が関心の株のみならず、現地投資家や海外機関投資家が何に興味があり、投資されているかも投資の判断材料の一つにしたいものです。

「中国企業情報」はほぼ週一で個別企業の詳細を取り上げてまいりました。関心のある方はどうぞ別途お申し込みください。発信は9月からです。

 

 

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