パニックなのは個人投資家だけではない

明日(9日)東京で恒例の勉強会を行います。前回は4月2日の開催で、その前日、4月1日の香港ハンセン指数は24929.11で、その後最高で28588.52まで上昇した同指数は昨日の終値で24975.31となり、株価はブーメランのように3ヶ月前のレベルまで舞い戻った形となりました。 

6月中旬からの中国株の急落で売りが売りを誘い、ついに雪崩の様相となっていますが、パニック状態に陥っているのは何も個人投資家だけではありません。 

先週、政策金利や預金準備率の同時引下げ、追証や保証金の取扱い、強制決済基準の証券会社の一任、売買手数料の引下げ、基金の設立等に続き、本日も証券委は「中国証券金融有限公司は国有企業――ブルーチップスの株価の安定維持のほか、時価総額の小さい中小企業の株を引き続き買い支える」と発表しました。 

また証券会社に対しても、中国証券金融有限公司経由で引き続き流動性の支援をすることも同時に明らかにしています。 

一方、中国人民銀行は報道官談話として「株式市場の安定的発展を支持するため、中国証券金融有限公司に積極的に協力し、コール市場や金融債券の発行、抵当融資などを通して十分な流動性を確保できるようにする。市場の動向を密接に注目し、システム的、部分的金融危機が発生しないデッドラインを死守する」と異例な発表をしました。 

更に、本日のお昼、全国有企業を管理している国務院直轄の「国有資産監督管理委員会」名義で、傘下の全国有企業に対して株式市場が大きく変動している時期にCSRの一環で、責任ある株主として自社及び傘下子会社の株式を売却してはならず、価値乖離したホールディングス傘下企業の株式の買い増しを奨励すると同時に、国有企業の再編を加速するとの通知を出し、これに呼応して国有企業112社が連名でこれを承諾するという声明を発表しました。 

中央銀行や証券委、国有資産管理委、証券会社総動員の市場安定維持策が打ち出されていますが、そもそもどうして短期間で急落が起きてしまったのでしょうか。 

空売りなどを精査するという犯人探しの動きも出ていますが、今のところ下記三つのことが原因ではないかと推測されます。 

一つ目は、指数先物取引による説。個人投資家が8割の中国市場で、買いからしか投資できませんが、しかし機関投資家には指数の先物取引ができるため、GEM市場の平均PERが100倍を超えたところで、大量に先物の売りが掛けられたこと。 

二つ目はファンドの売りであること。GEM市場指数は年初の1500ポイント台から6月初めの4000ポイント台に、6ヵ月間で1.7倍まで高騰したので利益確定の売りが出ていたこと。 

三つ目は、市場外の融資(証拠金取引)が乱発し、コントロールが効かなかったこと 

上海、深セン市場の暴落で、香港市場も連れ安となっています。リーマンショックなど投資の世界で海千山千を経験してきた投資家はここでしっかりとチャンスを抑えたいものです。

 

 

徐さんの中国株の最新記事

パニックなのは個人投資家だけではない」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:こういうときは、どこが底か分からないし、底打ちすると一気に上がりだすし、含み損覚悟で買い増しするしかないんですよね。買い増しすればするほど含み損が増える。いつまでこのつらい日が続くことやら。。。

コメントは停止中です。