今後5年ないし10年の変化は想像以上に

トランプ氏と会見した後、ダボス会議にも出席し、そして25日「浙商総会」(商工会)に出席して、ジャック・マーはここでもトランプ氏との会見やダボス会議での見聞を披露しました。

ジャック・マーの目に映るトランプ氏と中国経済の今後について纏めてみました。

氏の当選は当然のこと

トランプ氏の当選について様々と意見が出ているが、しかし氏の当選は偶然ではなく、必然のことだと思う。現在の世界情勢とアメリカの経済がトランプ氏を誕生させたのだ。われわれはアメリカ国民の選択を信じなければならない。

世界でも氏を期待している。その演説や仕事ぶりはこれまで想像していた政治家とは違うだけのことだ。氏はアメリカ社会で起きている多くの問題点を見つけ出し、今まで(の大統領)と違う手法でこれらを解決しようとしている。しかし同時に氏はビジネスマンでもある。強い行動力があって結果を求めている。したがって多くの人は今までの大統領と違うイメージを持ったにすぎないことだ。

今後6か月間は大事だ

今後6ヶ月はとても肝心だと思う。どんなことがあろうとも、世界には多くの優秀な政治家や企業家、社会活動家もいる。みんなが努力するだろう。私は楽観的に見ている。しかし世界は大きく変化するだろうと思う。トランプ政権下のアメリカは大きな変革に直面し、それが世界の政治や経済にまた変革をもたらすことだろう。これらの変化についていま評価するには時期尚早だ。トランプ氏は非常に賢い人だと思う。大統領になる前には言いたい放題だが、私も(「浙商総会」)会長になる前は、会長職は簡単なポストだと思ったが、実際選ばれたら容易いことではないことが分かった。学習のプロセスが必要だ。 

中国のダボスに

私はダボス会議の役員も務めている。10数年連続して出席しているが、今年のダボス会議ほど中国について熱い議論が出ることはいままでなかった。

アメリカはグルーバル化や自由貿易はもうだめだと言ってグルーバル化から撤退しようとしているが、中国は逆に「一帯一路」と銘打ってグルーバル化を推進しようとしている。

私の友人も役員を務め、米前政権のバイデン副大統領の隣に着席し、アメリカは世界の主導権と貿易の主導権を中国に譲ろうとしているのかと冗談っぽく話しかけたが、氏も同調したという。

ダボス会議でもグルーバル化や自由貿易の加速が強調されたが、アメリカは逆行しようとしている。

今後5年ないし10年の変化は想像以上に

世界は今後5年ないし10年は我々の想像以上に複雑に変化するだろうと思う。しかし必ずしも悪いことではない。変化を災いと見る時にはなかなかこれに馴染めないが、チャンスだと見る時には、自らこれを迎え入れることだろう。例え中米間で貿易戦になっても、中国のチャンスは依然大きいと思う。内陸には13億人の市場がある。潜在的成長力は依然大きいと思う。隣のロシアの事情と全く違う。ロシアの経済は欧米市場に依存している。(欧米から)制裁を課されるとすぐダメになってしまう。中国には一帯一路もあるので、大きなチャンスはまだまだある。

このように述べたジャック・マー会長は、アリババのECサイト経由でスマホを100台購入し、指定された某国の住所に届いた時には87台しか残らなかったことを例に、税関職員が勝手に抜き取ったとして、(海外の腐敗に比べて)中国が進めている腐敗一掃は、ビジネス環境の整備に役立っていると今後の中国のビジネス環境が良くなることに期待を寄せていました。

 

 

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