保有株を見直す時期

上場企業本決算発表のシーズンです。

四環医薬(0460)は前年比純利益17.2%減ですが、期末配当の0.038元のほか、特別配当として0.055元を実施すると発表。

中国龍工(3339)は純利益296.1%増の4億6100万元、EPS0.11元に対して、期末配当として0.062HKDを実施。

復星国際(0656)は純利益27.7%増で、初めて100億元の大台に乗せたと発表と同時に、同グループ№2の梁信軍CEOの突然の辞任も明らかに。

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決算のシーズンに様々な情報が飛び交い、また人事も含めて様々な物語も生まれ、投資家の語り草が絶えない時期です。
決算の結果次第で、株主として泣いたり笑ったりもありますが、原因不明で決算を発表しない、じれったいことも多々あります。

昨年12月、空売り機構のMuddy Watersに狙われたH株の輝山乳業(6863)は先週24日、大量の空売りに浴びせられて株価は最大90%以上暴落しました。空売りはランチタイムに近い時間帯が狙われ、同社が取引停止を申請するまでだいぶ時間がかかったため、暴落が止まらず、その間安値を拾う買いも散見され、取引停止まで約85%の暴落となりました。

医薬品セクターの優良銘柄である「四環医薬」の取引停止は投資家の記憶に新しいと思いますが、同じく3月の決算シーズンでした。取引停止の直接的原因は監査法人が決算報告にサインしなかったことでした。「東芝」のように、発表は延期に延期され、最終的にやむなく取引停止を申請するケースが多いのですが、取引再開まで2~3年かかることもよくある話です。

従いまして、この時期決算を予定通り発表できない会社があったら、要注意のシグナルだと考えてまず間違いないと考えます。

空売り機構についてこれまで何度も触れていますが、輝山乳業の暴落を受け、レポートを発表したMuddy Watersの創業者で最高責任者であるCarson Block氏は、今週専門誌の取材を受け、決算発表前の2社に対して近く空売りレポートを発表する予定があることを示唆しました。

Block氏の示唆に対して、次なる(空売りの)ターゲットはどの会社なのか、市場では少なからぬ騒ぎが起きています。何せ空売り機構に狙われた会社でこれまで無傷で終わった会社は皆無と言っていいからです。

空売り機構に狙われやすい会社の特徴について、昨日の「京華メルマガ」で纏めていますのでご参照頂きたいと思います。空売り対象銘柄も香港証券取引所の公式サイトに出ていますのでご参照の上、保有銘柄をチェックしてみてはいかがでしょうか。

空売り機構は目的もなくレポートを乱発しているわけではなく、利益を上げるために徹底的に調査を行い、事前に証券会社から株券を借りて売りを立ててからレポートを発表し株価の暴落を待って買い戻して儲けを出すシステムです。したがって調査対象の企業に調査会社に依頼したり、または自社スタッフを派遣して現場を見たり、トラックの出入り状況や牧場の場合、ドローンを利用した空中撮影などしてまで「時間と労力」をかけて徹底的に行ってからレポートを纏めています。一部に事業内容を理解できていない部分もありますが、客観的に見た事実は信ぴょう性の高いものも多く、アナリストのレポートよりも信頼性が高いと評価の声も出ています。

決算発表に併せて保有銘柄を総点検したいものです。

 

なお、「徐さんの中国株」は今週31日(金)を持って公開コラムとして最終回を迎えます。引き続き閲覧するには、(有料化での)登録が必要となります。登録して購読料を手配してから登録されたIDとPWが初めて有効(アクティブ化)となります。

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