失敗から学ぶ

中国人民銀行(中央銀行)は27日(土)、政策金利である人民元の貸出と預金金利の引下げを発表しました。一年もの貸出と預金金利はそれぞれ0.25%を引下げ、28日付けでこれを実施することにしています。 

利下げと同時に、農業や中小企業向け融資の一定基準に達した一部特定金融機関に対して預金準備金率を0.5%引き下げることも発表しました。 

専門家によりますと、預金準備率の引下げで、4700億元に上る流動性を市場に送り出すことができるだろうと試算しています。 

中国は昨年11月から景気減速に伴い利下げを踏み切ってきましたが、それから3月1日、5月11日に続き、7か月間で4度目の利下げを、また2月5日、4月20日に続き、今年3度目の準備率引下げとなっています。 

中央銀の声明では、企業の融資コストの低減と農業、中小企業への融資奨励としていますが、市場では、前日の上海株の暴落がきっかけではないかと見られます。金利と準備金率の同時引下げは2008年12月22日以来6年半ぶりのことで、リーマンショックによる危機対応のための緊急措置が今一度取られたことが理由のようです。 

上海市場は26日、7.4%、深セン市場は8.24%、深セン創業版は89.1%と暴落し、両市場では、2000社以上がストップ安と「金融危機」の再来を彷彿させる暴落振りでした。 

6月中旬から以降の市場の調整及び下落は監督当局である中国証券委の信用規制の動きにあるとされます。 

昨年後半からの証券市場の高騰で、個人投資家が大勢市場に参入していますが、中では、証券会社のほか民間の専門業者から融資を受けて売買している人も多くいました。しかしその売買口座は個人ではなく融資する業者が把握し、株価が下落の際、追証が求められますが、それができない場合には自動的(強制的)に売却(決済)することになっています。無一文どころか借金を背負って路頭に迷う人も出るなど社会問題にもなっています。 

邱先生は著書で「借金して株式投資をしてはいけない」と警鐘を鳴らしています。いま日本では、さすがに借金してまで投資をしている人はもういないだろうが、しかし市場が好調な時には、ついに欲に駆られて借金して投資する人がいることもまた事実です。7年半ぶりの高値を迎えた上海市場で、役人の規制発言やまた噂だけでも暴落の引き金となりうることなので、投資家も授業料を払って大いに勉強になったことと思います。 

しかし、一方では、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立協定の調印式が本日午前北京で行われ、参加表明の57カ国の内、50か国が署名し年内の運営スタートが確実となりました。 

また明後日7月1日、香港の中国返還18年目に、内陸と香港の基金の相互承認がスタートします。 

上海市場の暴落はしばらく続くことにしても自然な調整と見て香港市場の出番を楽しみにしたいと思います。

 

 

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失敗から学ぶ」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:毎日、楽しく読ませてもらっております。2000社以上がストップ高→2000社以上がストップ安 ですよね。

  2. SECRET: 0PASS:>みんんさんご指摘ありがとうございます。「ストップ安」の間違いでした。訂正しお礼申し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願いします。

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