実体経済の視察に

第16回京華投資視察団の参加メンバーは昨日成田、関空など三つの空港から北京首都空港に飛んで現地で合流し、本日から視察をスタートしました。出発の二日前、北京は強風と共に、6月にして珍しく雹が混ざった大雨に襲われ、荒れた模様の天気でしたが、すっかり回復し、無事到着で安堵したところです。

6月と言えば、中国の経済、外交日程で大きなイベントが目白押しの月です。まず視察団と同じ日に北京に到着したドイツのメルケル首相が三日間の中国訪問を始めました。首相就任後9回目の訪中ですが、大掛かりなミッションを引率してのトップセールス、今回はどのような成果を手に入れるか注目されます。

その後、ロシアのプーチン大統領も北京入りし、中国を訪問することになっています。数年前、考察団で上海のオークラガーデンホテル(花園飯店)に泊まったら、訪中で同じホテルに宿泊のプーチン大統領(当時)と鉢合わせをし、厳重な警備に参ったことを今でも覚えています。

今回は同じく花園飯店に宿泊しますが、日程的にずれていますので鉢合わせはありませんが、上海入りの16日は、東京・香港に次ぐアジア3番目のディズニーランド開園の日です。年間1500万人の来園を予想しての開園、経済効果は大きいでしょうが、インフラの整備や周辺への影響などが懸念されます。何しろ、視察団帰国の18日は開園後はじめての土曜日なのでディズニーランドと同じ方向にある浦東国際空港への高速道路の渋滞が心配です。

そして株式市場に直接影響を与えると思われるのは、今月15日MSCIが中国A株をエマージング市場指数に組み入れるかどうか、決定を下すことです。先週開かれた米中戦略・経済対話の後、中国人民銀行の易剛副総裁はアメリカの金融機関に2500億元(約4兆1000億円)に上るRQFII(人民元適格海外機関投資家)の投資限度額を付与すると発表しました。

香港の2700億元に次ぐ規模で、資本市場の開放を迫るアメリカへの「妥協」とも取れるし、人民元の国際化と何しろ世界の投資家に開放したマーケットであることを立証しようと急ぐ当局者の意図も感じられます。昨年IMFのSDR構成通貨に人民元採用が既に決まっています。MSCIのA株組入れも期待されています。

今日は朝から北京市内の「中国通信服務」(0552)を、そして昼過ぎから北京の北西部、中関村にある「神州控股」(0861)を訪問し、両社役員から現状と将来の見通しについて説明を受けました。あすは視察団で初めて四環医薬(0460)の北京の製薬工場を見学して高速鉄道で石家庄へ移動します。

先週、中国の輸出入を管轄する税関総署は5月の輸出入データを発表しました。それによると、5月の輸出入総額は対前月比2.8%増2兆200億元、その内輸出は1.2%増の1兆1700億元、輸入は5.1%増の8471億元、貿易黒字は前月比7.7%減の3248億元だったが、輸入増は2014年11月から実に19ヶ月ぶりだということで、国内経済回復の兆しかと久しぶりに明るいニュースが出てきたのです。今回の視察団で企業現場を訪ねてそういった実体経済の現状を皆様と共にしっかり見ていきたいと考えます。

 

 

<勉強会のお知らせ>

7月7日(木)、都内にて中国勉強会を開催します。視察企業の情報を含めて最新情報をご報告。
関心のある方はどうぞご参加を。詳細は当社HPにてご案内しています。

 

 

徐さんの中国株の最新記事