対外開放から海外進出へ

京華投資視察団を引率して中国に行って一週間振りに、東京のオフィスに戻ってきました。今回は北京、重慶、無錫、上海の4都市を見て回り、上場企業6社を視察し、また同じく上場企業の役員や投資家関係マネージャーを呼んで話を聞く夕食会を2回行われるなど充実した内容だったと自負しています。 

       重慶の観光名所「磁器口」 

訪れた4都市は霧の都と言う別名を持つ重慶が曇っている以外、北京や上海ともに晴れて昨今言われているPM2.5はどこへやら消えたのか目を伺いたくなるほど青空が広がっていました。ガイドなどに聞くと、ここしばらくはこのようなお天気が続いていたので工場の移転や閉鎖が功を奏したのかと思わず納得しました。 

やればできるのは、青空だけではありません。昨年来中国の株式市場も政府主導(「官制相場」)と言われるように、市場への資本誘導が何度となく政策発表があることを「徐さんの中国株」でも取り上げております。そのお蔭で昨年2000ポイント台で徘徊していた上海総合指数はついに5000ポイント台に乗せ、8年振りの大相場を迎えています。 

視察団が行われている期間中の先週一週間(14日~20日)で、上海株は通算13.32%、深セン株は13.11%という大暴落となりました。短期間で急上昇した市場の調整と考えるのが妥当でしょう。 

「靴磨きの少年」のお話を投資家の方なら一度は耳にしたことがあると思います。今では、大学生まで投資するようになっています。利確の動きが出るのは当然と言えば当然のことです。 

しかしながら、暴落の時に市場に参入するのはいつも外資だと言われます。今回も例外ではありません。19日(金)外資が上海株を凡そ78億元(約1600億円)の買い越しとなったと20日付けの「証券日報」が報じました。 

「中国の改革開放は35年を迎えた。これまでの35年は国内市場の開放がメインテーマで、開放のお蔭で中国は世界の工場となり、GDPが伸び、国民の生活が大いに改善された。しかし、これからのテーマは海外進出――産業のみならず、リスクの伴う資本の海外進出が盛んになるだろう。株式投資もこうした国策に則って行われるべきだ」と、視察団最終日の「上海勉強会」でこのように挨拶しました。 

中国経済はいま質的変化(構造転換)を求めようとています。訪問した企業でもこれを肌で感じたように思いました。

 

 

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