情報収集を怠らないこと

「上海電気」企業訪問の様子を数日に分けてお伝えしました。これは当社有料情報『中国株エクスプレス』にて7月に発信した情報の一部をそのままお伝えしていますが、投資説明会では、その後、恒例の質疑応答に入り、参加者の皆様から関心を持つ様々な質問が出され、同社李部長より懇切丁寧に答えてくれました。質疑応答の内容もとても参考になりますが、文面が長く改めて別な機会でお伝えしたいと思います。

上海電気は従来型の国有企業で経営効率を高めるべく、赤字部門を親会社に譲渡する資産交換を行うため、10月8日から取引を一時停止したが、交換契約が完了し、今月7日取引を再開しました。

最近、中国の企業経営者が突然失踪したり、消息不明で連絡が取れなくなったりしていることがしばしば起こります。当局が進めている腐敗取締が影響していることですが、国有企業の場合、影響はさほどではないが、創業者の場合企業のダメージが大きいものと考えられます。

上海電気も2006年当時董事長以下役員数名が上海市の社会保障基金部門担当役人の汚職絡みで辞職を余儀なくされたが、その後新規董事長の選出などでこれを乗り切ったのです。

先週から中国経済誌(サイト)のほとんどが同じく上海に本社のある民間コングロマリット最大手の復星集団、郭会長消息不明の記事を一斉に取り上げました。傘下の上場企業10数社、投資先企業が100社を超えるグループだけあって、当社でも「中国株エクスプレス」や「京華メルマガ」で速報で「東江環保」の張会長の消息不明を遥かに超える衝撃だとお伝えしました。

相次ぐ経営者の突然の消息不明について、最近、「企業家の原罪」を問う識者の声が上がっています。中国的風土の中で経営者が何らかの形で政府役人と良好な関係を保たないと、経営資源がもらえないばかりか、ライセンスその他すべてにおいて支障を来すだろうし、そうした環境の中で癒着が生まれないことの方がむしろ珍しいことだろうと指摘されています。

昨日(15日)発表された胡润(Rupert Hoogewerf)「中国富豪ランキング2015」によると、同ランキングが発表された1999年以降の17年間ランクインされた中国の大富豪は合計で3087名、その内、死刑判決を受けた1名を含む「問題富豪」(逮捕や実刑、自殺など)は35名で、率にして1.1%だということが明らかになりました。

問題富豪とされた中には、「雨潤食品」の祝義財、「恵生工程」の華国嵩、「国美電器」の黄光裕など上場企業の創業者や前会長なども多く含まれています。

そうした中で、英紙FTの記者が2014年、上海の復星集団本社で、郭会長取材の記事が再度取り上げられました。お金持ちになる要諦について、郭会長は「IQよりも心の問題だ。間違った決定をした人は、その人のIQが低いわけではなく、心の誘惑に抵抗できないからだ」として「サブプライムローンを組み入れた債券を買った人は、その債券の問題を知らないわけではなく、それを買わないとその年のボーナスが減額されることを良く知っているからだ」と、心のコントロールが大事だと指摘したと言います。10年前より民間企業が躍進し、随分とディスクロジャーも進んでいますが、更なる透明性が求められることは言うまでもありません。投資家としても情報収集を怠らないことも求められているように思います。

 

 

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情報収集を怠らないこと」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:お初です?先ほど記事読みました☆人のブログは色々発見がありますね!勉強になるブログだったのでコメ残していきます♪次の記事も楽しみにしてます♪でわでわ?これからも更新頑張って下さい?失礼致します?

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