投機好きに昔も今も変わらない

「口座は持っているが、取引はしていない」視察団参加メンバーとの懇談でビットコインの話が出て、参加者の一人がこのように語っています。金融ITの発達で、知らないでは済まされないことが今後もたくさん出てくるのではないでしょうか。

自分も好奇心旺盛の方だと自任していますが、常にチャレンジしている人には敬意を表しています。

仮想通貨ビットコインに関してですが、昨日(5日)ジェットコースター相場を経験しました。昼過ぎまで上昇を続け、1ビットコイン=8888元に達した午後3時(日本時間の午後4時)過ぎに急落し、午後9時台で、1ビットコイン、6500元(1000ドル以下)まで20%以上も下落しました。

同じ時間帯に起きたことは人民元対米ドル為替相場の急騰です。通貨人民元は元安の流れで一時1ドル=7元寸前まで落ちていますが、4、5の2日間、中央銀の市場介入と思われる元買いが行われ、元相場は一時6.8元まで高騰しています。それに伴い、香港市場の銀行間短期貸出金利(Hibor)は翌日ものにつき、一時昨年1月12日以来の高い水準、38.335%まで上昇しました。ちなみに昨年1月12日の短期金利は66%まで急騰したことをこのブログでも取り上げ記憶にある方も多いのではないでしょうか。

金利、元相場上昇の背景にはいずれ投機筋の存在です。

では、元相場の上昇とビットコインの急落とはどのような関係があるのでしょうか。

仮想通貨ビットコインは2009年1月に誕生し、今年でちょうど8年を迎えます。まだどこの国でも通貨として認められているわけではありませんが、投資家の間では取引ができるプラットホームが幾つも存在しています。日本では「マウントゴックス」が不祥事で破たんしたことが報道され一般に知られていますが、実は世界中の取引の90%以上が中国で行われています。

2016年の年初から年末までビットコインの価格は実に200%以上も上昇し、金や不動産を含むすべての金融商品のキャピタルゲインを凌駕した結果になっています。

人民元は昨年SDRの構成通貨になったものの、まだ自由兌換できる通貨ではありません。米利上げ観測の昨年から元対米ドル為替は元安傾向が続き、年末にかけて資本の流出が懸念されていました。資本規制の中、人民元を国内のビットコインプラットホームの口座に入金し、海外で自分のウォレットに移動すればいつでも外貨へ換金できるので、海外送金の手助けにもなって取引が急増しています。2017年に入ってからも連日高値を更新し、最高値の1163ドルに迫る1139ドルまで高騰しました。

ところが、元安は一転元高になり、元に対して最も上昇していたビットコインは売られる形になったのです。

しかし、ビットコインは海外への資本流出の手助けとしても、また投機商品としても今しばらく熱(ブーム)が下がることはないでしょう。投機好きは昔も今も変わらないことですね。

 

 

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