東方財富500 IT躍進 経済のけん引役に

中国版「フォーブス500」の「東方財富500」(金融統計の「東方財富Choice」が発表)が年明け発表されました。

長年一位に君臨されていた中国工商銀行は時価総額1兆5718億元で2位に後退。一位に躍進したのは時価総額1兆6081億元の中国SNS最大手のテンセント(0700)でした。同じくIT(情報技術)関係でEコマース最大手のアリババが1兆5200億元で3位の座についています。

上位3位に、IT系で民間企業2社がランクインされ、インターネット経済は伝統的経済を取って代わる時代に入ったことを裏付けたと言えるのではないでしょうか。

「東方財富500」が香港市場も含む上場企業の時価総額を基に統計されるもので、経済全般で最も活力のある企業のランキングだと言えます。

BAT御三家(BAIDU、アリババ、テンセント)の一角、ナスダック上場の百度(BIDU)は時価総額3957億元で15位、同じく京東(JD)は2531億元で29位に続き、IT系企業63社がランクインされています。

業界の内訳を見てみると、工業部門が92社、耐久消費財関連が80社、金融が75社、IT系は63社、そして原材料の47社と医療系が38社、不動産は29社が続いています。

地域的には、北京には113社で最も多く、広東省(深センを含む)には68社、上海には52、浙江省には42、江蘇省には28、山東省には19社と言う順番で、当社投資視察団の訪問先に、北京、上海、広東省が外せないのはここにも理由があります。上位五つの省や市の上場企業が500社の内300社を超え、中国経済の中心的地域を成していることが伺えます。

IPOでいきなり「東方財富500」にランクインされるのも特徴の一つ。2016年合計27社がIPOで時価総額がランクインされました。その内香港市場には合計7社、皆様の記憶にもあるのでしょうが、その7社とは、中国郵貯銀行、浙商銀行、中信建投証券、天津銀行、華潤医薬、美図公司、中銀航空租賃です。

ランクインの最低時価総額は230億元(約3800億円)で、1兆元を超えたのは8社、1000億元を超えているのは86社で、その他多くは230億元から500億元の間で、IPOで仲間入りした多くは金融関係の企業であることにも特徴が見られます。

昨年からインターネットプラスが国の重要政策として推進されてきましたが、伝統産業が後退し、インターネットサービス、インターネット金融、インターネットスマート製造が2017年の牽引役になることでしょう。

かつてIT企業は伝統産業を追い付き、追い越し、更に転覆者と見られましたが、すでに経済の牽引役に変身しています。

今年はそうした目線で中国経済、中国株を観察してほしいと思います。

 

 

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