深港通開通 中小株が対象

第18回京華投資視察団が北京で最後の企業を訪問して外に出たら街灯がすでに点灯し、周りもすっかり暗くなって時計の針は17時を回っていました。考察団からの慣例で夕食に行く前にいったんホテルに帰り、埃を落としてゆっくりとディナーを楽しんでもらうよう小休憩してから再度レストランに向かうことになっています。

 

最後の北京で朝から立て続けに3社を訪問し、「徐さんも肩から荷を下ろしたに違う?」(参加者)とすべてのスケジュールをクリアした安堵感もあってコーヒーを入れて一服しようと思ったら、「深港通」(深セン、香港ストックコネクト)12月5日開通発表とのニュースが飛び込んできました。

 

証券委の定例記者会見が毎週金曜日、取引終了後に定期的に行われています。株式市場に関する重大な出来事はこの会見で発表されるのも慣例になっています。

25日の発表の中では、深港通ほど大きなニュースはありませんでした。

なぜなら、8月16日に「深港通」の計画が発表され、具体的開通の期日については証券取引所の重役も含めて市場関係者から様々と憶測が飛び交い、この発表ですべての憶測が過去のものとなりました。8月16日から起算して凡そ3ヶ月半の準備期間を経てようやくスタートを切ることになったものです。

 

同日発表された「深港通」の対象株は、深セン市場は881社、香港市場は417社で、その内、香港株はハンセン総合指数の大型株が100社、中型株が193社、小型株が95社のほか、A+H同時上場の株17社あって香港市場時価総額の約87%、一日平均出来高の約91%を占めることになります。

 

一方、深センの対象株881社の内、メインボードは267社、中小板は411社、GEMに至っては203社に上り、深セン市場時価総額の71%、一日平均出来高の66%を占めることになります。

 

2014年11月、上海と香港市場の相互直接取引が

始まってから上海も香港も大相場を迎えましたが、深センと香港直接取引の場合、大相場の可能性はあるかどうかも関心の高いところです。

 

内陸には、上海と深セン二つの取引所があり、上海は国有大型企業を中心とするマーケットで、深センは民間特にVCなどハイテク関連企業が集まる市場であることに役割分担をしています。

 

上海と香港相互直接取引の対象株もお互い大型株(例、ハンセン大型指数株)を中心としましたが、深セン、香港直接取引の場合、小型株も対象としていることに特徴があります。

 

また内陸市場は個人投資家が8割以上を占めることに対して、香港は外国人の機関投資家が6割の市場で、企業に対する評価も投資の好みも

全く異なる趣向が見られます。

 

投資の格言にBuy the rumor, sell the fact.(噂で買って事実で売れ)というのがあります。「深港通」も叫ばれて早一年以上は経ちますが、大型株は相互の投資家にすでに開放されていることを勘案すると、狙いは中小銘柄になります。

 

深セン市場の創業板(GEM市場)のPERは80倍も100倍もまだ買われていることを考えると、内陸投資家の志向が読み取れます。大相場の期待よりも中、小型株から厳選した方が「深港通」相場に乗る手法ではないかと考えます。

 

<中国勉強会のお知らせ>

 

次回の中国勉強会は年明け1月12日(木)東京銀座の天厨菜館で行います。

第18回視察団の訪問企業や

「深港通」の最新情報をご報告します。参加ご希望の方は当社HPから、お問い合わせ、お申し込みください。

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