連休のお金の使い方から見る消費動向

中国のマクロ経済データの一部が本日発表されました。経済成長の牽引役とされる3要素――投資、輸出入、消費の内、輸出入(貿易)は対前年、対前月比でともに大幅に下落していることが税関総署の発表で明らかになっています。 

これまでのマクロ経済政策から見ても、政府はリターンの低い投資や不振が続く(海外市場への)輸出よりも消費けん引へ舵を切ろうとしていることが伺えます。 

国慶節という長い連休(1日から7日まで)を終え、観光旅行に出かけた人数や飲食、小売りを含む各種消費統計データが相次ぎ公表されました。中国の消費者は何にどれぐらいのお金を使っているのか、これら消費データから投資の参考になるものはないかと探ってみました。 

商務省の統計によると、10月1日から7日までの一週間、観光に出かけた人数は合計7億4000万人、その内、4日までの海外渡航者数は昨年比で13.6%増の257万人、国別の伸び率を見てみますと、米国は117%、ロシアは85%、日本は72%、フランスとイタリアは同じく37%とそれぞれ伸びていると言います。 

中でも、クルーズを楽しむ人数が爆発的に増え、オンライン予約は昨年比で430%も増え、ゴールデンコースとして上海→済州島(韓国)→福岡→上海のコースだと全クルージングの63%を占めているということです。 

国内消費では、小売り及び飲食の売上高は初めて1兆元の大台に乗せ、7日間の合計で昨年より11%増の1兆800億元に上ったと報告されています。 

一方、売上を大きく伸ばしたのは映画の興行収入だと言います。7日までの統計だと、売上高は対前年比で71%増の18億5000万元、観客動員数は同84%増の5600万に上り、制作会社が連休に合わせて封切する戦略が功を奏したと報じられ、映画の人気は根強く、株式市場での関連銘柄の上昇もこのことを裏付けています。 

商務省が発表した「2015中国消費市場発展報告」によると、国民の消費構造は、生存型より発展型へ、物質型からサービス型へとアップグレードしていると指摘し、転換のスピードも加速度的だとしています。 

国家統計局が明らかにしたところによると、今年上半期のGDPに占める割合では、第一次産業は6.8%、第二次産業は43.7%、第三次産業は49.5%と第三次産業のウエートが一位になっているということです。 

マクロ的経済政策、また個人消費ともにサービス産業に傾いていることが伺えます。先進国の経済成長のプロセスでよく見られるパターンではないでしょうか。

 

 

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連休のお金の使い方から見る消費動向」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:でも、映画というのは、ゲームと同様で当たれば大きいが、外れることもあるから、私は投資したくないです。

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