香港の活気に陰りが

24日から視察で香港とマカオを訪れています。

経由も含めて年に数回は香港に立ち寄ることがあります。内陸の都市と比較して香港の雑踏と街を行き交う車や人の流れから活気を感じられ、ビジネスでも効率よく動いてくれるので好きな町の一つでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香港という町の佇まいに変わりはないが

しかし、世界経済の先行きの不透明や中国経済減速の影響でしょうか、最近香港の「停滞」が目に余るように感じてしまいます。

周知の通り、一昨年夏以降の学生や一部市民による道路占拠の影響で、香港訪問の内陸の観光客が激減しました。

香港観光発展局の最新発表によると、2015年11月の来港観光客は475万人で、前年対比で10.4%減少し、内陸からの観光客は351万人、同15.5%のマイナスで、近年まれに見る下げ幅となっていると言います。

それに伴って2015年11月の小売業の売上高は全体で対前年比7.8%下落し、9ヶ月連続のマイナスで、下げ幅としても2015年1月以来最大となると言うことです。

小売りで上場している化粧品中心の莎莎國際(0178)は昨年9月30日の中間期決算で売上高は10.6%減、宝飾品の周大福(1929)は第3四半期の決算(12月31日まで)では11%減の報告がすでに出されています。

縦の比較では、そうなっていますが、実は香港を訪れる際は川を一本隔てたお隣、深セン経由で行くことも多いので深センの発展とどうしても比較してしまいます。

1997年香港が中国に返還された当初、香港の一人当たりGDPは27330米ドルに対して、当時の深センのそれが、3097米ドルで香港の端数にも及ばなかったのですが、2014年香港は約50%増の4万ドルになりましたが、深センは人口が倍増(約1070万人)の中、一人当たりGDPは約8倍増の2万4000米ドルに迫っています。

GDPでは、2014年1兆6000億元で、香港の1兆7000億元に接近し、2015年には香港を上回ることがほぼ確実とされています。

もう一つ有力なデータですが、香港返還の時のGDPは中国の約20%を占めていましたが、現在3%にも及ばない水準まで落ちています。

こうした比較は株式市場にも出ています。1997年当時から比較してみると、ハンセン指数は2倍弱増えていますが、深セン総合指数は5倍以上上昇し、深セン市場の取引高も香港の10倍以上になっています。

深センの活気はテンセントやHUAWEIなどITやVC企業の多くが進出しているからだと見られますが、香港の自己満足が差を生じさせた原因ではないかと今回の訪問で感じさせてくれました。

 

 

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