翰森製薬 6月14日株式公開 

 先週「ここだけの裏話」で、翰森製薬(ハンソー・ファーマシューティカル・3692)を取り上げたところ、早速お問い合わせを頂いております。同社は5月31日からブックビルディングを行い、6月5日に発行株数とIPO公募価格を決定し、6月14日、株式を公開することになりました。

続きは会員登録(有料)してからお読みになられます。

入会案内を見るログインページへ

ここまで上がったら 維他奶国際(0345)

 
(チャートは「AASTOCKS」から)

 まずこのチャートをご覧ください。維他奶国際(0345)の1年間の株価の推移です。11~12月の間はちょうどこのコラムで取り上げたタイミングです。すでに20香港ドル台中盤ですから、取り上げるだけでも「勇気」が必要だったのですが、結果取り上げてから半年で約50%さらに上昇しています。
 今日は端午節(端午の節句)、香港市場は休場です。「徐さんの中国株」は会員以外の投資家は読むことが出来ないので、今日は特別サービスで、2018年11月26日のコラム「内陸市場に進出したが、成長はこれから」を公開します。「徐さんの中国株」は何をどのように取り上げているのか、一般投資家にも知ってもらいたいと思います。

       内陸市場に進出したが、成長はこれから

 維他奶国際(0345)をこのコラムで取り上げたのは11月12日。同社株価は8月1日に今年最高値の29.48HKDを記録した後、4カ月にわたってこれを更新することはできませんでした。コラムで取り上げている途中、27HKDの株価が25HKDまで下落していたが、21日中間決算を発表したところ、株価が即反転し、今年の最高値をあっさりと更新したのです。

 中間決算の内容を速報で当社サイト「中国経済News & topics」で取り上げました。同社発表によると、売上高は21.98%増の44億4800万香港ドル、粗利は25.29%増の24億0800万香港ドル、純利益は30.45%増の5億1800万香港ドルと好調の実績でした。高成長のけん引は言うまでもなく中国内陸のマーケット。
決算報告によると、内陸市場での売上高は33%増の29億9200万香港ドル、純利益は42%増で、売上高こそ前年の39%増と比べてやや減速感はあるものの、純利益は前年の41%増をさらに1%改善して42%に達しています。利益増の理由について同社は、営業努力と税率低減のほか、販売(出荷)量の大幅増と原料のコスト減、生産効率の向上によるものとしています。内陸市場のほか、成熟市場と言われる香港・マカオでの売上高は4%、オーストラリアとニュージーランドでは5%、シンガポールでは9%といずれも安定的成長を続けています。
 同社は、市場の競争は激しいとする一方、植物由来の健康とカルシューム含有量が高く、植物繊維が豊富で栄養素の高いシリーズの製品とそれぞれのマーケットに合う製品の発売が功を奏したとしています。
 アリババ傘下ECモールの天猫(Tmall)の統計によると、2017年の旧正月(春節)期間中の最も人気のあるフード上位10位ランキングで同社ビタミンレモンティ(維他檸檬茶)は4630万本の販売実績で2位にランクインし、販売総額(売上高)は約20億元に上ったと言います。また今年1~5月までレモンティのアリババECプラットフォームでの売上高は34.6%増と内陸消費者に浸透しつつあることを裏付けています。
 しかし、懸念はないわけではありません。前出速報で「同社は下期も引き続き強い成長が見込まれるとしながら伸び率として上半期より緩やかになるだろうと指摘した」と触れています。
 その懸念とは、市場の急拡大に生産能力が追い付かないだろうということです。
 維他奶国際は1994年の香港上場を機に内陸にいち早く進出しましたが、同業の康師傅(0322)や統一企業(0220)と比べてかなり慎重で堅実派です。1994年深圳に工場の第一号を立ち上げてから4年後の1998年上海で、さらにその後2011年の広東省の仏山で、2016年武漢で生産工場を立ち上げています。市場を開拓してから追って工場を作るパターンです。今年の10月30日、同社東莞での工場の鍬入れ式が行われました。内陸最大規模となるこの工場は内陸の需要にある程度満たせると期待されていますが、稼働は  2021年からだというので、このブランクは現在稼働中の工場で埋められるかどうかが注目されます。
 同社決算発表後、株価は前日比約15%高騰しました。堅実な会社は内外投資家の注目を受けるものですね。

続きは会員登録(有料)してからお読みになられます。

入会案内を見るログインページへ

ここだけの裏話 その2--「夫婦会社」の上場 翰森製薬

 中国A株は内陸と香港市場のストックコネクト(株式の直通車)のお陰で、2014年から以降やっとお互い直接取引が出来るようになりましたが、しかしディスクロージャーでは香港市場と比べて透明性が低いこともあってそれまであまり関心がありませんでした。しかし2014年秋に北京で四環医薬を訪ねてから少なくとも製薬会社の「恒瑞医薬」に関心を持つようになったのです。同社株価が30元台でしたが、その後90元台まで高騰しました。

続きは会員登録(有料)してからお読みになられます。

入会案内を見るログインページへ