医薬品セクターに依然チャンスが多い

 株式投資でもその人の性格や好み、さらには信条とも絡んでいると言っても過言ではありません。証券の中信証券(6030)や不動産の万科企業(2202)、そしてカジノの銀河娯楽(0027)はいずれも業界大手でありながら、株価は1~2年の間で必ず半値くらいまで落ち込んでまた高値を記録するという繰り返しをしてきました。長年市場を観察すると、そういうこともあるとわかってきますが、しかし信念上、ブローカーやカジノを応援できないと決め込んでいる方はこういった株にはまず手を出さないんです。

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中国株で1億円を作るのは難しいことではない

 「『中国株で一億円儲かった』はもう古い」というタイトルのコラムを書いたのは2016年9月。タイトルに魅力があったのか、いまだアクセスが後を絶たない状況です。遡って20年ほど前からお付き合いの会員の多くは「羅欣薬業」株で億単位の財を成した事実があります。なぜそれがわかるかというと、羅欣薬業が公開買付(TOB)で上場廃止を決め、公告を発表したにもかかわらずTOBに応じることを失念した投資家が数人いて、締切後に当社が依頼を受け、代わりに同社と交渉し、TOBと同一価格で最終的に買い取ってくれたことがあったからです。羅欣薬業株を保有して少なくとも5年はあったと思いますが、長期保有で羅欣薬業株を上回るパフォーマンスの銘柄もあります。
 微創医療科学(マイクロポート・サイエンティフィック/0853)です。8年ほど前の2013年9月13日、当社視察団が上海で同社を訪問し、帰国後当時のアメブロで訪問の様子を纏めました。株価は当時4HKD台だったんですが、昨日(6月1日)の同社終値は70.050HKDでした。今日は同社訪問を記録した8年前のブログを再公開します。

         微創医療はどんな会社?

第四回投資視察団最終日の13日、
午前中「上海復旦張江生物医薬」を訪問した後、
同じく張江ハイテクパークの中にある
「微創医療」(マイクロポート)を訪ねました。

この会社を選んだ理由は非常に単純なものでした。
利益率が高いこと。昨年は粗利が44%で、
純利益率は38%あったこと
大株主は大塚メディカルデバイスであること
山東威高と事業内容に似ている部分があったこと


ショールーム見学

ところが、訪問決定した後、8月になって
同社は業績予想を発表し、上半期の決算予想で、
減収減益だということで、
視察団出発前に同社が発表された決算報告では、
純利益は58.63%減少し、利益率は
何と2.18%まで落ちていることがわかったのです。

利益が大幅減少の原因について、
説明会に臨んでくれた同社CTOの羅七一氏は
同社主力製品の薬剤溶出ステントの売上高の減少と
研究開発費が増加したことそして
アメリカ企業の買収に資金を投入したことなどを
挙げて説明してくれました。

同社訪問をブログで案内したところ、
投資家のA様から「冠動脈ステントで
firebird2という製品がホームページにあるのですが
恐らく主力製品と思います。これは使用してる
薬剤からみるとJohnson &johnsonが10年前に発売した
cypher ステントに似ている気がします。
これは第一世代の薬剤湧出性ステントで
既に先進国では使用されておらず、
現在は第三世代のabott社のxienceステントや
テルモ社のnoboriステントが主流です。
こういったものを作る予定はあるのでしょうか?」
というメッセージをもらいました。


      同社CTO羅七一氏と記念写真(2013年09月13日)
これを説明会で開発担当の羅CTOに質問したところ、
firebird2はJ&Jのcypherより進んでおり、
またすでに完成し、当局に認可を申請中の
同社第3世代のステントはabott社のxienceステントよりも
進んでいると説明してくれました。

あまり専門的なことで信じていいかどうかも含めて
門外漢の私にはわかりませんが、
「中国にあって世界レベルの製品を作り、
2020年までに100億元の企業を目指したい」と
長期的目標を豪語してくれた羅氏に
一行は盛大な拍手をお送りしましたが、
利益率のダウンと買収したアメリカの企業が
どれだけ利益に貢献できるか、
本決算まで確認したいと考えます。(了)

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