新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン型」への警戒感で主要市場の株価は冴えない状況が続いています。中国市場に至ってはIT系企業に関する各種情報が飛び交い、センチメントパニックに陥る様相を呈して来ています。
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最近、当サイト「お問い合わせ」から「メルマガ登録」のお申し込みが相次いでいます。「無料」とあることも一因でしょうが、現在無料のメルマガの発信は一時中止しています。有料情報の「徐さんの中国株」はどんな情報を発信しているのか、今日は21年8月11日発信の「禁じるほど伸びる業界 電子タバコ産業」を公開します。有料購読を躊躇っている方のご参考になればと存じます。
なお、同じ銘柄については、前後の「忍耐が必要な時期も」と「増収増益も株価が下落 思摩爾国際のその先は」でも取り上げています。(以下、8月11日付コラムの内容です)
少子高齢化の難題を解決し、親の教育費負担を軽減させようとして始まった、学習塾の一斉取り締まりがついに拡大解釈の傾向が見られ、ゲーム産業(未成年者がゲームに耽る)も電子タバコ(未成年者の健康被害)も一部メディアの「叩き」の対象となってしまったのです。お陰で関連銘柄の株価が下落を余儀なくされましたが、その「叩き」は「陣痛」と見て、電子タバコの思摩爾国際に注目すべきと触れると、同社株価は二日間で10%以上上昇しました。
日本では、随分と以前からタバコのパッケージに「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」と警告表示が出ていますが、中国でも2005年頃から注意文言の表示が義務付けられています。それでも中国の喫煙者人口は3億5千万人とここ数年で推移しています。
電子タバコの功罪について様々と議論が出ていますが、最大の消費国米国でも、直接的因果関係は不明だが、2019年7月電子タバコ「喫煙者」の死亡例が出てから同年9月、トランプ大統領(当時)が電子タバコの全面禁止を検討していたと報じられています。中国でも同年11月、国家煙草専売局と市場監督管理総局が共同で電子タバコの被害から未成年者を守る通告を発表し、電子タバコのオンライン販売(ネット通販)の全面禁止を決定し、オンライン販売が即停止しました。
思摩爾国際(6969)はどのような会社なのでしょうか。
2009年に設立された思摩爾国際は深圳に数ある電子タバコファウンドリの1社で、昨年7月10日、業界第一号として香港市場に株式を新規公開(IPO)しました。オンライン販売の全面禁止からすでに9カ月以上も経ち、電子タバコの存在が投資家の記憶からそろそろ消える頃になるかと思ったら、IPOの公募倍率は115倍、公募価格12.4HKDに対して、初値は何と125%高の28HKDと超人気であることを改めて教えてくれました。
人気の背後はやはり同社の実力。2017~19年の同社売上高はそれぞれ121%、119%、122%と「倍々増」で、2019年の売上高は76億人民元、経常利益は33億5千万元、調整後純利益は22億7千元、粗利率は44%、純利益率は29.8%に上ります。
統計によると、中国電子タバコ産業の市場規模は2013年の5億5千万元から20年の83億8千万元まで拡大し、8年間の複合(平均)成長率は72.5%に達します。禁じるほどに伸びている業界であることがわかります。しかし同社売上高の半分以上が海外からであることもまた魅力の一つです。
同社株価をフォローしてきていますが、一部メディアが野次馬的「叩き」を仕掛けてくるのを見て株価も昨年10月前後の水準になっているところ、コラムで取り上げたのです。<了>
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