「AI・近未来都市 上海と杭州」を見るNBSビジネスミッション(第26回京華投資視察団)が本日からスタート。AIなど最新テクノロジーやフィンテック、スタートアップ企業など急速に伸びる中国。超大国、米国でさえ脅威に感じ、先月の初め、28もの中国企業や団体をエンティティ・リスト(禁輸リスト)に指定するなど異例に思える措置を取るに至っています。その渦中にある2社を今回アポイントに成功し、米国を脅威に感じさせ、中国の成長をけん引するプレイヤーはどのような人たちなのか、5泊6日の旅で全8社を訪ねてきます。
訪問予定の企業の一部を見てみます。
衆安保険(衆安在線財産保険)(香港上場)
テクノロジーと保険を融合した「インシュアテック」の先駆的企業。
中国で知らない人がいないくらいの3馬―馬雲(ジャック・マー)・アリババグループ創業者、馬化騰(ポニー・マー)・テンセント創業者、馬明哲・中国平安集団創業―が共同出資して2013年に設立されたネット専業の会社。2017年9月28日香港市場に上場。調達資金は約110億香港ドル(1香港ドル=約14円)、フィンテック企業として最大規模。
蘑菇(MOGU)街(米国上場)
女性向けファッションプラットフォームを運営する「ライブコマース」。世界でも主流の「eコマース」に対して、同社は有名人やブロガー、ユーチューバーなどのインフルエンサーを活用してアプリやウェブサイト上で生放送しながらプロモーションや商品販売を行うことが特徴。
アリババ出身のエンジニアが2011年杭州で設立。2018年NY市場に上場。モットーは「ファッションをすべての人に」(ユニクロのCMを聯想させられますが)。同社発表では、2018年末現在、ユーザー数は6220万人。
テンセントが17.2%の株式を保有する最大の株主。ビジネスモデルは斬新で、業績のほどは?と今回訪問先に選びました。
閲文集団(香港上場)
中国電子書籍(オンライン読書)サービスの業界最大手。前身は「騰訊(テンセント)文学」(最大手「盛大文学」を買収し設立)。作品数、執筆者数、読者数は中国最大。2018年の平均月間利用者数は2億1400万人、有料ユーザー数は1080万人。登録著作権者数は780万人。IP(著作権)による売上高に占める割合は2016年の約1割から2019年の約4割まで急増。文学作品からドキュメンタリー、エンターテイメント、映画にも業容を拡大。
テンセントが54%(間接的には65%)の株式を保有。WeChatなどテンセントのアプリなどで顧客を獲得。
知識や役に立つ情報にお金を払う時代。同社業績は如何ほどか、迫ってまいります。
このほか、スタートアップ企業の「魔点科技」(AI、顔認証)、艾康Arxsys(5Gを活かした遠隔医療)、国士供応鏈管理(ブロックチェーンを活かした人民元越境決済――ボーダレスペイメント)なども訪問し、香港市場上場の企業のみならず、もっと広い視野で中国経済の最先端を見て参ります。
さて、米国から禁輸リストに指定された28社の内の2社はというと、米中貿易戦の切り札の一つでもとされるという敏感な時期だけあって、企業名をまだ公開できず、両社訪問後、詳しくリポートさせていただきます。
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