「エネルギッシュかどうか」

日本では、中国経済について常に「二極相反」する見方が付き纏わされています。どちらにもその裏付けとなる根拠があって投資家としてこれらの情報に戸惑うこともよくあります。

中国版バークシャー・ハサウェイと称され、投資家、ウォーレン・バフェットや香港の大富豪、李嘉誠の投資手法の真似をしていると公言する復星集団の郭広昌会長は委員(代議士)として政治協商会議(参議院)に出席中の北京で、経済学者と中国経済について対話を行いました。

中国経済成長の恩恵を受け、同社も医療(製薬)、保険、不動産、レジャーなどコングロマリットまで成長し、傘下には「復星国際」、「復星医療」など複数の上場企業を抱え、2014年から以降、世界中で大掛かりな買収を行い、2015年北海道の星野リゾート、トマムを買収したことで日本でも知られています。

中国経済成長の鈍化と反グローバル化の流れの中、同社は今後どこで、どのような投資を行うのかは注目されています。

その対話の一部をご紹介しましょう。 

まず、グローバル化について、郭氏は、中国はグローバル化の受益者でありながら、グローバル化を推進した立役者でもある。多くの海外企業は、中国企業の学習能力をあまり気にしなかったと思うが、短期間で中国の企業が追随者からいきなりライバルになったことになかなかこれに順応できていない。今後もグローバル化と反グローバル化の声が混在するだろう。しかし中国の経済が伸びた分、責任も大きくなるので、グローバル化をけん引していくことを期待すると語った。 

中国経済崩壊論について、郭氏は「経済を見る角度は西側の経済学や国家統計局の発表など様々とある。私はその国の国民にエネルギッシュかどうかを見る。役人や企業家、研究者、一般大衆、若い人に夢のために働いているかどうか、夢さえあれば活力も生まれると思う。その国民がいつも太陽浴やレジャーを楽しむことばかり考えたり、国からの補助金を頼りにしたりするような国柄ではどうやって成長できるのか。働くことこそ価値創造ができるのだ。労働とは体力でも頭脳でもいいが、しかし決して太陽浴ではない。中国では、今でも多くの人が寝食を忘れて仕事に没頭していることを見ると、今後30年も世界経済のエンジンは依然中国にあると思う」。

このように述べた郭会長は、今後の投資チャンスについて、

「企業家にはゴールがない、ずっと努力の道中にある。復星集団はC2MCustomer-to-Maker)という戦略を打ち出している。健康産業でのC2Mだ。中国の高齢化が急速に進んでいる。1950年、60年代、70年代に生まれた人が史上最も裕福な高齢化層になる。これらの人には、健康管理と医療サービスのニーズがある。復星集団として、医薬品や医療機械の開発のほか、健康産業全般への投資も拡大するだろう。顧客のニーズに応え、顧客に福祉を作ってくれる人こそお金持ちになれるだろう」と同社目標について述べています。<続く> 

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