「一帯一路による海外受注増も」

不動産市場が飽和状態になっていることを受け、上海電気のエレベーター事業に影響が出るのではとの懸念も市場に出ています。また、一帯一路という国策の影響について投資家の関心も高いものですが、上海電気投資家関係の李部長は次のように紹介しています。

「エレベーター業務ですが、2014年まで中国の不動産市場の高度成長に伴い、二桁の成長を続けてきましたが、2014年には、不動産市場の成長鈍化で、一桁台の中レベルで推移しています。今後はエレベーターの売上高に置いて若干下がるかもしれませんが、しかし、エレベーターのメンテナンス、改修工事などアフターサービスは不動産市場の影響をあまり受けないセクターで、今後も一桁台の中、高レベルを維持できるのではないかと考えます。中長期的には、都市化と内需振興政策で依然として中高速の成長が維持できると見ています。

エレベーター事業は三菱電機との合弁で30年前から始まった生産性の高い会社で、単一の工場としては世界でも最大級を誇ります。多くの指標に置いて業界1位にランクインし、中国での市場シェアは12%を占めています。中国政府は不動産への融資の引き締めなどの政策を取ってきましたが、ここに来て緩和の方向に切り替えています。したがってエレベーターセクターは中長期的に成長が続けられると考えます。

次に、送配電設備について、当社国内の最大の顧客である国家電網の上海子会社と2012年合弁会社を作りました。そして国家電網関連の子会社14社を合弁会社に資産注入し送配電設備の業務に取り掛かっています。これらの業務は毎年10%前後で伸びていますが、将来的に、マイクロ電網、スマート送電、分散型エネルギー設備の製造を通して新たな収益源を確保したい計画です。

最後に発電所の工事サービスに関してですが、発電所の建設は主として新興国市場で展開してきました。しかしながらここ2,3年新興国経済が低迷し、資金ショートなどで、新規受注が落ちています。しかし、最近の一帯一路、海上シルクロードなどの政策及び総理によるトップセールスで、このセクターの業務も間もなく回復されるのではない期待しています。これまで当社独自で火力発電及びその技術的、コスト的優勢で国際市場で入札等に参加して工事を受注してきましたが、「一帯一路」は政府対政府の話し合いでより多くの工事案件を受けられるだろうと期待しています。先だって習近平国家主席がパキスタン訪問の際、50以上のプロジェクトの契約をしてきましたが、その内の火力発電と炭鉱開発を当社が受注しています。

発電所建設の粗利が対前年比で2014年大きく伸びていますが、これはイラクでの発電所工事のための引当金が戻ってきたお蔭です。当プロジェクトはイラン・イラク戦争の際、受注したもので、多めの引当金を計上したものの、2014年一期工事が完成し、リスクコントロールも功を奏して当時計上した引当金、約5億元が戻ってきたお蔭です」

このように述べた李部長は「2014年には一時的売上高もあって大きく伸びていますが、2015年は同じ目標に達成するには困難が予想されます。2016年も多くの挑戦が待ち構えていますが、2017年、2018年には多くのプロジェクトの成果が実り、高度成長に戻るだろうと見ています」と、先行きについてこのように締めくくっています。

 

 

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