「IT大国とは」

BSE(ムンバイ証券取引所)を後にしてJETROのムンバイ事務所を訪ねました。本庄所長をはじめ、石本アドバイザイーなど3名が温かく迎えてくれました。参加メンバーの簡単な自己紹介の後、石本アドバイザーはインドの概要や進出日系企業にについて紹介してくれました。

それによると、現在インドには駐在員など日本人の数は7000名程度で、中国の20万人と比較して遥かに及ばないと言います。1983年スズキがインドに進出して以来、本日現在で約1200社が進出していますが、中国への進出企業、2万3000社と比べてもまだその端数にも届かない現状だということです。


スリーボンドデリーを訪問

進出の歴史が浅く、企業数が少ないこともあって成功事例がまだ少ないと言います。「マルチスズキ」(スズキ自動車のインドでの企業名)は売上高が600億円に達し、日本本社との連結でかなり貢献し、数少ない成功事例だと言います。

インドルピーは1990年代の1米ドル45ルピーから現在の66ルピーまでルピー安の流れがずっと続き、輸出企業には有利だと石本アドバイザーは紹介してくれました。

その後、質疑応答で皆様からは様々なご質問を出されましたが、私からもどうしてもぶつけたい質問があってその場で聞きました。

「インドはIT大国と言われますが、しかしホテルでWIFIにつなげる際、1時間利用で600ルピー(約1200)、24時間利用で1200ルピー(約2400円)も課金されます。何がIT大国だというのだろうか」。同じ質問をその後デリーで訪問した日系企業でも聞かせてもらいましたが、皆様の回答は驚いたものでした。

IT大国とは、GOOGLEなどIT企業がサービスセンターやコールセンターをインドに置いただけの話で、ITのインフラ環境はまったく整っていないとのことでした。日系企業の駐在員は、夜お酒の付き合いがほとんどない(そのような飲み屋もほとんどない)ため、インターネットで時間つぶしをするのですが、ネット環境が悪く、いったん止めたたばこはインドに来てからまた復活したと紹介してくれました。

私からのもう一つの質問は、「インドについて、日本人は一度訪問して大好きになった人がいる反面、もう二度と行きたくないという両極端な人がいますが、その理由は?」についてです。

これについて、インドとかかわって45年、住友商事のインド社長を経験し現在レストランとホテルなどを経営する中島様は「インドは法治国家で、親日的で日本人に対して尊敬心を持っている。半面、インドを嫌いにならないためには、日本と比較しないこと、片目をつむること、現地の生活習慣を否定せず受け入れること」という心構えが必要だと話してくれました。

10年ぶりの訪問ですが、驚きの連続でした。

 

 

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