一人っ子対象の商売を

36年も続いた一人っ子政策はついに終止符を打つことになりました。昨日(29日)閉幕した五中全会で、「国民経済と社会発展の第13次五か年計画に関する決議案」が採択され、一人っ子政策の解禁も同決議案に盛り込まれたのです。 

1979年に始まった一人っ子政策。当時の人口は9億7000万人で世界一の人口大国でした。世界の人口の3人に一人が中国人だったのですが、今では、5人に一人、新生児に至っては10人に一人と、逆ピラミッド型の人口構造がすでに出来上がっています。 

国勢調査によりますと、一人っ子政策を開始して21年後の2000年、60歳以上の人口はすでに10.2%を占める高齢化社会に突入し、2014年、65歳以上の人口は全人口の10.1%を占める1億3700万人で、正真正銘の高齢化社会に入っています。 

2011年、凡そ30年振りに一人っ子政策が緩和され、結婚した夫婦のどちらも一人っ子の場合、子供二人まで生まれることが許可されました。更に2013年結婚夫婦のどちらかが一人っ子の場合でも、二人まで出産が国策として認めるようになったのですが、今年5月までの集計結果を見てみますと、対象の1100万組の夫婦に145万組、率にして凡そ13%強の夫婦でしか二人目の出産申請(届出)をしなかったというので、緩和されたからと言って、思うように新生児が増えていないのが現状で、人口に占める0歳から14歳までの人口構成は1964年には40.7%、1990年には27.7%、2010年には16.6%と減り続けていることが分かります。 

このまま、一人っ子政策を続けますと、2050年には、60歳以上の人口は全人口の35%を占めるようになり、超高齢化社会に入ることは確実で、人口政策の転換は待ったなしの状況となっています。 

日本も少子高齢化の問題を抱えていますが、女性の社会進出、育児のストレスと経済的コストの高騰など共通した問題のほか、結婚適齢期の男女の割合のアンバランスがまた中国独特の問題としてクローズアップされています。国勢調査の結果、2014年末中国大陸の男性人口は7億79万人で女性より3376万人多く、1980年以降生まれの非婚男女の割合は136対100、1970年以降生まれの同比率は206対100で、人口構造のアンバランスが社会問題として突出しています。 

一人っ子政策の解禁で株式市場でも早速関連銘柄が物色されています。ミルクの蒙牛(2319)や子供用品の好孩子国際 (1086)、婦人科病院の和美医療(1509)など消費、医療、保険、不動産なども対象ですが、かつて中国進出のアドバイスをされる専門家などは、13億人もいますので、一人シャツ一枚買うと13億枚売れると中国マーケットの魅力について熱っぽく語る場面もよくありましたが、それはあくまでも他人のチャンスで、その商売と遠く離れている人間とは一切関係ありません。投資家として上記医療や消費関連のほか、1970年代後半以降に生まれた一人っ子たちを相手にした体験型エンターテインメント関連もぜひご注目頂きたいと考えます。

 

 

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