内外の市場に上場している中国企業上位500社が金融統計の「東方財富Choice」により1日発表されました。時価総額順のランキングですが、上位10社は次の通り(順位変化は前年比プラスかマイナスかを示す。-は前年比変化なし)です。
順位 順位変化 企業名 時価総額(億元) 業界 所在地域
1 - テンセント 35885 IT 広東
2 ↑1 貴州茅台 25752 食品 貴州
3 ↓1 アリババ 20532 EC 浙江
4 - 工商銀行 16502 金融 北京
5 ↑1 建設銀行 14651 金融 北京
6 ↑9 寧徳時代 13705 製造 福建
7 ↑3 招商銀行 12285 金融 広東
8 ↓1 美団 11307 IT 北京
9 ↑2 農業銀行 10290 金融 北京
10 ↓5 中国平安 9215 保険 広東
中国版「フォーブス500」とも言われる同ランキングの2021年の特徴は時価総額の縮小とランク入りハードルが高くなったこと。景気変動を反映していることでしょうか、特徴をピックアップしてみました。
1.時価総額縮小 ランク入りハードルが高くなったこと
全500社の時価総額は前年の86兆元から80兆元まで減少しましたが、ランク入りハードルが30億元増の416億元まで増えています。
株価がこの一年大きく下落したことが響いたと考えられる一方、すそ野が広がり、10年前のランク入り基準は103億元から約4倍増の416億元まで増え、多くの企業が成長してきていることの裏付けとも言えるかと考えられます。
2.IT系と製造業が躍進
上位500社の内、IT系企業が91社で最も多く、2位は製造業企業の84社で、金融が「常連」の時代と物別れになったと言えます。しかし、時価総額の合計では依然金融業がトップの15兆6600億元で、割合にして19.54%を占めています。
3.IPO25社がランク入り
21年に新規株式公開(IPO)した企業の内、25社の時価総額がランク入りハードルの416億元を超えてランクイン。このコラムで取り上げた快手(1024)や滴滴出行(DiDi)、京東物流(2618)、年末に上場したばかりの商湯科技(センスタイム・0020)などの名前が出ています。
また地域別では、北京が98社でトップ、続いては広東省76社、上海が63社、浙江省54社、江蘇省36社で、この5地域で327社を占め、依然経済けん引の主要地域であることが分かります。
お正月三が日ですが、中国内陸の株式市場は3日振替休日で、香港市場は始まっています。
皆様には明るいお年でありますよう祈願致します。