市場低迷の副産物――高配当

中国株は低迷を続けています。理由の一つに、経済政策の方向性がはっきりと読めないからだと言われます。権威筋の談話や中央銀のガイドライン、メディアの社説などによく出てくる言葉に「安定的成長」と「構造調整」とあります。「安定的成長」とは、GDPの成長率を高い目標でなくてもいいから、ある程度安定的な成長を維持することとされていますが、これに対して「構造調整」とは、生産過剰を縮小させ、倒産、閉鎖を含めてリストラを敢行して創新型企業と成長産業を育成させることとされています。

現在の中国経済に、どちらも必要とされる政策ですが、しかし株式市場では、投資先としての選択を難しくしております。というのも、上記政策には相反(矛盾)するところがあるからです。ファンドや大口投資家がこうした政策を様子見しようと、投資を控える空気が濃厚となっています。しかし株価低迷の副産物に高配当銘柄が続出しています。

「年初にリスクとチャンスが共に 高利回り株を」(1月18日付「徐さんの中国株」)と題して香港市場の高配当銘柄合計60社を有料情報としてご紹介しました。利回り9%以上の銘柄が50社、8%以上が10社を厳選して紹介していますが、これを5%まで拡大したら相当数の高配当銘柄が香港市場にあります。現に、金融関係では、不良債権化の心配で多くの銀行の株価は長期低迷を余儀なくされています。そのため、例えば、香港上海銀行(HSBC)や中信銀行、交通銀行、重慶農商銀行などの利回りは現在いずれも5%を超えてしまいます。また、大相場の時とは真逆で、証券株の利回り、例えば、中州証券(1375)は本日の株価に対して利回りは16%にも達し、また国聯証券は同12%を超えています。銀行に次ぐ利回りが高いのは、不動産株です。8%以上限定して見ても恒大地産、SOHO中国、富力地産、首創置業、建業地産などがありますが、5%まで拡大したら多くの不動産関連企業がこの範疇に含まれるようになります。

金融、不動産のほか、電力株は日本株と同様、昔から安定した利回りで知られていますが、しかし、電力消費量の伸びが鈍化し、4月にはさらに対前年比で減少に転じたほか、電力企業の負債比率が高く、設備投資がかさむなどでPBRが1を割り切った銘柄が多く、株価に対して8%以上の利回りも珍しくありません。当然、前出中州証券は、市場低迷で、4月の決算では、単月として純利益は昨年比で94%減も売られた原因の一つです。

安定した利回りで買い安心感があるのは、高速道路の株です。現金商売で「お金を払わなければ外には出られない」(邱先生)安心できる商売の一つです。保有資産の売却などで一時的に配当利回りが高いのが散見されます。市場低迷の時には、長期安定した配当を実施する高配当銘柄を狙うのも選択肢の一つです。

 

<北京・上海勉強会のお知らせ>
第16回投資視察団は来月の12日から18日にかけて行います。北京では、企業訪問するほか、四環医薬の役員とお食事会を予定しています。また上海では、東瑞製薬を久しぶりに訪問することになっています。どちらか一日だけでもご参加頂けますので、関心のある方は当社HPをご参照ください。

 

 

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