3度目の正直 叶わず

第16回京華投資視察団を終え土曜日に無事帰国し、一週間ぶりに新宿のオフィスに戻りました。北京、石家庄、上海、蘇州を6泊7日で見て回り、上場企業5社を訪ね、中国版新幹線――高速鉄道にも乗り、国内移動で初めて話題の春秋航空も利用したりして初体験の多い視察旅行でした。

16日の上海入りは上海ディズニーランド開園の日で、石家庄からのフライトが2時間のディレーとなり、LCC(春秋航空)だからの日常茶飯事かと思ったら、上海に到着してみると、午前中から大雨で、私たちが乗るフライトの到着予定時刻が雷雨の真っ最中だったことがわかり、お蔭でディズニーランドの開園セレモニーもいまいち盛り上がらなかったようだと報道で知らされ、上海の町中にキャラクターや旗でいっぱい飾られているだろうと想像しましたが、市内には全くその様子が見られませんでした。


企業訪問の合間に 鳥の巣に立ち寄り (2016.06.13)

ディズニーランドの開園よりも私の関心は前日のMSCIの新興国市場指数のA株採用に関する決定の結果でしたが、2014、15年に続き、今年も採用お見送りという結果だと15日の早朝伝えられました。

MSCIの中国A株採用に関して、12日上海で行われた陸家嘴金融フォーラムで中国証券監督管理委員会国際部の祁斌部長は香港記者の取材に対して「中国市場は世界二位の資本市場で、また世界で最も成長の速い市場である。MSCIの指数に中国市場がなければ不完全なものだ」として更に直接英語で「We don’t want wait too long」(長くは待っていられない)と、MSCI採用への期待を滲ませていました。

それを踏まえた不採用の決定で、証券委にとってもショックだったと思いますし、また翌日の16日、MSCIはパキスタンの株を新興国市場指数に組み入れることを発表し、二度の驚きではなかったかと思われます。

MSCI側はA株採用について証券委が行ってきた改革を評価しながらも、QFIIの市場参入(投資限度額)の制限と売却及びファンド解約後の海外送金の制限、上場企業の自己都合による取引停止などが、採用お見送りの理由だとして、引き続き2017年の採用リストに乗せて更なる改革を期待するとしています。

MSCIの新興国市場指数は現在21か国と地域の820社以上の株をインデックスとして採用し、世界中の投資ファンドが投資する対象となっています。中国関連の株式としてすでに26.8%のシェアを占めていますが、ニューヨーク、香港またはB株などの上場企業で占め、A株だけは依然蚊帳の外だと言うことが続いています。

A株採用見送りについて、読者のN様は「今回アクセス制限があるとかの理由で導入を見送ったが、愚かな決定だ。いつまでも西側の論理が通用すると思っているが、これは大いなる幻想だ。・・・・・・資金力、成長力、いまや世界トップの中国をないがしろに世界の経済、金融などを語ることは不可能だ。多くの分野で中国は超大国としての片鱗を見せることになろう。いつまでもお利口なスタンスではない」と感想を寄せてもらっています。

しかし、MSCIの不採用決定で、中国の資本市場のさらなる改革と開放に繋がることになれば、個人投資家にとっても悪い話ではありません。特に企業のディスクロージャーの透明性が更に高まれば、投資家の投資判断の一助にもなると期待したいものです。

 

<お知らせ>

1. 次の中国勉強会は7月7日(木)に開催。参加者募集中。

2. 第16回視察団訪問の様子を当社HPにて写真公開中。

 

 

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