晨鳴紙業、第1四半期利益激減 利益回復が有望

 中国の晨鳴紙業がこのほど発表した2019年第1四半期(1~3月)の業績見通しでは、親会社株主に帰属する純利益は前年同期比96・17%~94・25%減の3千万~4500万元(1元=約17円)と予想。同社によると、第1四半期の業績が急降下した理由には、①ディーラーの信頼感が足らず、様子見のムードが濃厚となり、市場需要が下降したこと、②子会社の黄岡晨鳴、寿光美倫の化学パルプおよび文化用紙(印刷用紙や筆記用紙など)プロジェクトが試験生産段階にあり、まだ経済利益を計上する段階にないことなどの二つの主因があったという。中国証券報が伝えた。
 同社の責任者によると、新規生産プロジェクトは第2四半期(4~6月)にすべて稼働し、特に自社製パルプの比率が大幅に向上し、コストの優位性がより鮮明になるという。また、3月より、同社は市場需要が好転するタイミングをつかみ、積極的かつ柔軟な価格政策を採用し、各品種の価格を1トン当たり100~200元引き上げ、第2四半期には中国の紙製品需要が旧来からの旺盛なシーズンとなるため、製品価格も1トン当たり500~600元上昇する見通しだという。
 ▽新規プロジェクト稼働で生産能力拡大
 ここ数年、製紙工業の構造調整と環境保護政策の厳格化に伴い、中国製紙原材料の構造は適正化を持続し、パルプ使用比率は次第に高まっているものの、国産パルプは中国製紙原材料のわずか10%に過ぎず、基本的な需要を満たすことができないため、製紙用パルプは長期的に輸入に依存、国内製紙企業の発展を制約している。
 晨鳴紙業では、広東省湛江市での森林・パルプ・紙の一体化プロジェクトの成功に基づき、黄岡晨鳴化学パルプと寿光美倫化学パルプの2大パルプ製造プロジェクトを立ち上げ、うち、黄岡晨鳴化学パルププロジェクトは2018年11月に成功裏に稼働し、寿光美倫化学パルププロジェクトも生産試験段階に入っており、間もなく稼働するという。同社の新聞用紙から文化用紙へと切り替えるプロジェクト、51万トンの高級文化紙プロジェクトは2018年第4四半期(10~12月)から稼働し始め、文化用紙の生産量は約100万トン増え、生産能力は360万トンに達し、全国トップに立った。寿光美倫化学パルププロジェクトが稼働したのち、この2件のプロジェクトの総合的な競争優位性が充分に発揮されるだろう。
 同社の関連責任者によると、パルプ製造プロジェクトのすべてが稼働したのち、パルプの生産能力は400万トン以上に達し、パルプの自給自足を実現し、パルプ生産能力は製紙と一体化した中国初のパルプ・紙一体化企業になる。自社製パルプの採用は1トン当たり1千元のコストを削減し、市場競争の優位性も鮮明になるという。
 ▽紙価は底を入れ反発
 2018年下半期以降、紙製品価格が急降下した。同社の関連責任者によると、現在のところ、第1四半期の価格はすでに底を入れ、第2四半期より顕著に反発が始まるという。同社は3月から市場需要が回復するチャンスをつかみ、積極的かつ柔軟な価格政策を採用して、各品種の価格を1トン当たり100~200元引き上げたという。また、第2四半期には中国の紙製品需要が旧来からの旺盛なシーズンとなるため、価格面でも販売面でも上昇する勢いが見込めるとしている。
 また、同社の販売量は前期の製品構造調整による影響が大きく、第1四半期に生産構造の調整を終えるにつれ、海外販売の拡大も加わり、第2四半期の1カ月当たりの販売量は50万トン以上に達し、付加価値が高いハイエンド製品の比率が拡大し、製品構造の高度化・転換も加速することで、市場が更に広がり、利益余地も大きくなるとみられる。「新華財経速報」より

 

 

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