中国のソーシャルメディア、さらなる多様化の時代へ

 WPPグループ傘下のカンター・グループはこのほど、2018年版の「中国ソーシャルメディア影響力リポート」を発表した。5年目となるこのリポートは、中国のソーシャルメディア産業の変化で最も際立っているのは、利用者、プラットフォーム、消費者の需要がますます多様化していることだと論じている。
 比較的成熟したソーシャルメディアとされる微信(WeChat)と微博(Weibo)の普及率はかなり高いレベルに達しており、すでに飽和状態に近づいている。微信を例に取ると、2018年の月平均普及率は97%と2017年と横ばいだった。
 こうした「老舗」のソーシャルメディアが安定した業績を上げる一方、電子商取引(EC)や音楽などのプラットフォームもソーシャルメディアの性格を急速に強めている。
 ソーシャルECプラットフォーム「拼多多」に対する利用者の評価は分かれるが、そのソーシャル機能の全国平均浸透率はますます高まっており、今年3月から8月までに27%から31%に高まり、上昇幅は15%に達した。
 音楽配信プラットフォームのソーシャル機能の進展も注目を集めている。2017年と2018年、中国の音楽配信プラットフォーム「網易雲音楽」は、実際の利用者のコメントを使ったオフライン広告を展開。利用者からは「網易雲音楽を使う一番の楽しみはリスナーの音楽レビューを閲覧すること」という声も上がった。
 このほかインスタントメッセージや動画・ライブ配信、ニュース、掲示板、O2O、生活サービスなどのプラットフォームのソーシャルメディアとしての性格もそれぞれ強まり、中国のソーシャルメディアネットワークは新たな多様化の構図を形成しつつある。(「新華財経メルマガ」より)

 

 

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