中国株で1億円を作るのは難しいことではない

 「『中国株で一億円儲かった』はもう古い」というタイトルのコラムを書いたのは2016年9月。タイトルに魅力があったのか、いまだアクセスが後を絶たない状況です。遡って20年ほど前からお付き合いの会員の多くは「羅欣薬業」株で億単位の財を成した事実があります。なぜそれがわかるかというと、羅欣薬業が公開買付(TOB)で上場廃止を決め、公告を発表したにもかかわらずTOBに応じることを失念した投資家が数人いて、締切後に当社が依頼を受け、代わりに同社と交渉し、TOBと同一価格で最終的に買い取ってくれたことがあったからです。羅欣薬業株を保有して少なくとも5年はあったと思いますが、長期保有で羅欣薬業株を上回るパフォーマンスの銘柄もあります。
 微創医療科学(マイクロポート・サイエンティフィック/0853)です。8年ほど前の2013年9月13日、当社視察団が上海で同社を訪問し、帰国後当時のアメブロで訪問の様子を纏めました。株価は当時4HKD台だったんですが、昨日(6月1日)の同社終値は70.050HKDでした。今日は同社訪問を記録した8年前のブログを再公開します。

         微創医療はどんな会社?

第四回投資視察団最終日の13日、
午前中「上海復旦張江生物医薬」を訪問した後、
同じく張江ハイテクパークの中にある
「微創医療」(マイクロポート)を訪ねました。

この会社を選んだ理由は非常に単純なものでした。
利益率が高いこと。昨年は粗利が44%で、
純利益率は38%あったこと
大株主は大塚メディカルデバイスであること
山東威高と事業内容に似ている部分があったこと


ショールーム見学

ところが、訪問決定した後、8月になって
同社は業績予想を発表し、上半期の決算予想で、
減収減益だということで、
視察団出発前に同社が発表された決算報告では、
純利益は58.63%減少し、利益率は
何と2.18%まで落ちていることがわかったのです。

利益が大幅減少の原因について、
説明会に臨んでくれた同社CTOの羅七一氏は
同社主力製品の薬剤溶出ステントの売上高の減少と
研究開発費が増加したことそして
アメリカ企業の買収に資金を投入したことなどを
挙げて説明してくれました。

同社訪問をブログで案内したところ、
投資家のA様から「冠動脈ステントで
firebird2という製品がホームページにあるのですが
恐らく主力製品と思います。これは使用してる
薬剤からみるとJohnson &johnsonが10年前に発売した
cypher ステントに似ている気がします。
これは第一世代の薬剤湧出性ステントで
既に先進国では使用されておらず、
現在は第三世代のabott社のxienceステントや
テルモ社のnoboriステントが主流です。
こういったものを作る予定はあるのでしょうか?」
というメッセージをもらいました。


      同社CTO羅七一氏と記念写真(2013年09月13日)
これを説明会で開発担当の羅CTOに質問したところ、
firebird2はJ&Jのcypherより進んでおり、
またすでに完成し、当局に認可を申請中の
同社第3世代のステントはabott社のxienceステントよりも
進んでいると説明してくれました。

あまり専門的なことで信じていいかどうかも含めて
門外漢の私にはわかりませんが、
「中国にあって世界レベルの製品を作り、
2020年までに100億元の企業を目指したい」と
長期的目標を豪語してくれた羅氏に
一行は盛大な拍手をお送りしましたが、
利益率のダウンと買収したアメリカの企業が
どれだけ利益に貢献できるか、
本決算まで確認したいと考えます。(了)

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