24年を振り返ると・・・

 早いものでまた1年が過ぎ去ろうとしています。「徐さんの中国株」では、リアルタイムで経済の流れを追いかけながら今後も成長していくと思われる個別銘柄の情報を伝えて参りました。
 年初では、輸出の目玉となる電気自動車(EV)・リチウムイオン電池・太陽光発電製品の新たな定番三品目の「新三様」を取り上げ、年間を通して好調だった同業界では、年末にかけて自動運転関連銘柄の上場ラッシュで、人工知能(AI)分野では新しい年でも引き続き注目すべきセクターだと考えます。
 2月には、「シャオミの自信はどこから」を皮切りに、5月には「3年でEVをラインオフしたシャオミ」、6月に「『人、車、ホーム』 シャオミのAIoTエコシステム」と立て続けに、同社を取り上げていました。振り返れば18年頃から同社の東京新製品発表会で東アジア販売担当マネジャーを取材してから一貫して同社を追いかけてきていますが、「モノマネ」からイノベーションへの脱皮で常に消費者のニーズに沿う製品の開発力に頷けるものがあっただろうと思いました。そのシャオミの株価は年初の10HKD台から年末にかけて35HKDに上昇し、若き中国製造業の急成長事例となったのです。
 成長と言えば、いわゆる新経済(ニューエコノミー)業界だけではありません。「斜陽」とされる中国の造船業が見事に「復活」し、中国船舶(600150)や中船防務(0317)、中遠海運(1919)が相次ぎ黒字化を実現し、中国海洋石油(CNOOC・0883)が最高益をはじき出すなど、オールドエコノミと視される銘柄も内外の需要増で業績が好調で株価が急伸しています。
 もちろん快進撃だけではありません。「不動産 下げ止まりまでまだ遠い」では、不動産業界の現状を取り上げ、また医薬品業界では「集中購買」の影響を紹介し、関連銘柄低迷の背後を掘り下げています。
 「徐さんの中国株」の自負の一つに、「官製相場」についていち早く警鐘を鳴らしたことではないかと考えます。
 さらに言えば、7月頃から「『未来はそこまで』 百度のロボタクシー」を機に、自動運転関連の新規上場銘柄を年末にかけて複数ご紹介し、期待で株価が一旦上昇してその後下落に向かう傾向も同時に伝えています。
 AIを活用したロボットの応用シーンは自動運転に留まらず、すでに馴染みのあるバリスタや配膳ロボットのほか、高層ビルの窓ふき、庭の芝刈り、雪国の除雪車などと拡大されつつあるので、25年も自動運転関連銘柄の動きに十分注目する価値があると考えます。
 25年には、このほか「低空経済」が飛躍する年になるのではないかと見ます。すでに空飛ぶタクシーが誕生し、ドローンによる配達も現実化されています。
 「徐さんの中国株」では、25年も成長セクターを引き続き掘り下げて参ります。今年はお世話になりました。来年も引き続き宜しくお願いします。皆様もどうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

 

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