G20が中国の杭州で開かれています。中国初開催もあって杭州の町全体が公園になっていると言われます。G20開催の2日前に、ケンタッキーやピザハットのチェーンを傘下に持つYum! Brands, Inc.は中国資本の「春華資本」とアリババグループの金融部門、アリ金融から4億6000万米ドルの出資を受け入れると発表しました。
アリ金融は米国上場のアリババホールディングスから独立した金融会社で、現在香港またはアメリカでの上場を検討されていす。
アリババもアリ金融も創業地はG20 開催の杭州で、開催直前の発表で特別な意味合いがあるのかと市場で憶測されています。
また「都市伝説」的言い伝えもあって、「愛国」を口にしたがる人がサクセスストーリーよりも「武勇伝」としてこれを喧伝しています。それは、アリババの創業者、ジャック・マーにまつわる話で、氏は若い頃、ケンタッキー中国のお店にアルバイトの募集に応募したと言います。履歴を提出した25名の内、24名が採用されましたが、ただ一人採用お見送りという結果で、その一人はジャック・マーだったと言います。
20年も前の話ですが、アルバイトとして採用されなかったジャック・マーはアリババの上場でお金持ち番付の1位に輝いた今、ケンタッキーの親会社まで丸ごと買収するのではないかと「雪辱論」まで飛び出しています。
Yum! Brands, Incは現在中国の1000以上の都市で、ケンタッキーやピザハットなど7200以上の店舗を運営され、2015年の売上高は80億米ドルを超え、EBITDAは約10億米ドルと、12.5%の利益率を創出していると言います。
当社視察団で、会社訪問の際、必ずROEまたはROAについて質問される方がいらっしゃいます。また事前に必ず数年前のデータも下調べをし、微妙な変化も細部までチェックしています。そのことを通じて企業側の紹介は真実なのかどうか、また儲かる企業かどうか、持続可能かどうかを見極めて投資の判断にされています。
12.5%の利益率は高いかどうか、業界にもよりますが、米誌Fortune Global 500において利益率12.5%を超える企業はわずか15%の75社で、継続的に12.5%の利益率を維持し続けることも容易ではないことが伝わります。
ちなみに、「春華資本」とアリババの出資はYum! Brands, Inc.発行済み株数の4.3%から5.9%の間で、今後も出資を拡大していくことも考えられます。
Yum! Brands, Inc.は
中国での12.5%の利益率の商売を一部手放すことで
もっと利益率の高い商売を狙うものでしょうか。
企業に投資する際、ROEなどもぜひチェックしたいものです。