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「もぐら叩きのような対策は少し効果が見え始めた」。7月に入ってからの政府による株式市場の援護対策は山場を迎えました。 

無謀な「場外配資」による強制決済と信用取引による売りが暴落の引き金だと突き止めた後、源流を堰き止めようと、上海と深セン証券取引所は3日夜、連名で信用取引に関する実施細則を修正する「公告」を発表しました。 

これまで個人投資家の場合、株式を購入してから、翌日になってからでないと売却は出来ないいわゆるT+1という制度でしたが、信用取引に限って言うと、当日買って当日でも売却ができるT+0という制度を、個人投資家の実物売買同様、T+1に修正したのです。 

これで、ストップ高とストップ安という制度を利用した信用取引を抑えることができると期待されています。 

政府による株式市場の一連の援護策は、最初から空売りに焦点を当てていたと言われます。 

まずは7月2日に、指数先物取引を制限すると発表。続いて7日に売りは一日1200枚以内に限定すると具体的取引高の制限を発表。更にその翌日、空売りの保証金を10%から20%に、その翌日、これを更に30%にと引上げを発表。 

14日、アリババの傘下企業、恒生電子開発の自動売買できるHOMSというシステムを閉鎖させ、資金の流入を遮断させたのです。31日になって、今度は頻繁に売買する口座の取引を制限すると発表。 

3日夜の両取引所によるT+0から、T+1への規則変更に呼応して中信証券や華泰証券など国内大手証券会社は、信用取引業務を一時停止することを発表しました。 

4日の上海深セン市場はこれを反映したのか、指数は前日よりわずかながら回復しています。 

政府は行政の力で空売りを縛り付ける一方、中央銀行による流動性支援で匯金投資などを通して指数構成銘柄の買戻しや中小指数企業銘柄の集中買戻しなどで市場を買い支えています。 

「場外配資」や信用取引に使われる融資残高は昨日、2週間振りに1兆3000億元を割切り、「健康的水準」と言われる1兆億元まで少し近づいてきています。 

A株市場の暴落の煽りで下落を続いている香港市場はこれからどうなるのか、投資家の関心するところですが、3月以降の政策を振り返ってみますと、3月27日に、約5兆元に上る公募資金の直通車経由の香港株投資解禁、3月31日、10兆元に上る保険金の香港創業版投資解禁、5月18日、QDII2(適格国内投資家)制度と深セン・香港株の直接取引を行う直通車の開通を時期を見て実施すると発表。5月22日、本土と香港の基金相互承認を7月1日から実施すると発表。 

香港市場にとってこうした一連の追い風となる政策は、A株暴落によりもみ消されて何一つ株価に反映されていない状況だと言えます。しかし、これらの政策がなくなったことではありません。 

深セン・香港直通車の開通時期も模索されていると考えられます。8月は上半期決算発表の時期です。先日現在取引停止中の四環医薬の決算発表の国際電話会議に参加しました。同社も予定通り上半期の決算を発表すると宣言しています。A株市場の推移を見守りながらファンダメンタルズがしっかりした香港上場の会社を掘り下げたいものです。

 

 

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