第12回投資視察団(ダイヤモンド・プリンセス号で行く東南アジアの旅)では、寄港地の厦門、香港、ホーチミンとシンガポールでそれぞれ事前にアポイントを取って会社訪問しました。経済を眺める窓口として株式投資が一番手っ取り早いのですが、政府発表よりも、個別企業(ミクロの観点)の訪問が一番参考になります。
ハイフラックス社ジェネラルマネージャーのSiew様と記念写真
昨年、北京で四環医薬の社長を夕食会に呼んで同社の経営状況についてお話を聞いたほか、同業界にいるプロとしてその他の製薬会社についても参考意見として話を聞かせてもらいました。
その後同社は取引停止になっていますが、今年北京で鳳凰医療を訪問の際、同じく医療分野のプロとして四環医薬についてコメントを求めたところ、「立場上、詳細について言えない」として、「取引が再開し、暴落する場面があれば、これを買いたい」というお話を引き出したのです。
このようにターゲット企業でなくても、訪問先で第三者企業についても意見を伺うことができることは重宝そのものです。
9月の視察団で、ホーチミンで、ハノイに本社のある「日本証券」(JSI)の斡旋で海上石油掘削機械のリースを手掛けるペトロベトナムドリリング(PVD)社を訪問しました。ベトナムの石油掘削や供給、石油価格暴落の影響、中国との紛争地域の現状などのほか、意外にも、当社視察団が2013に訪問した成都に本社のある石油掘削機械を作る宏華集団とも取引関係があることが分かったのです。
また、シンガポールでは、海水淡水化の世界的企業のHyflux)社を訪問しました。同社はシンガポールで2か所のプラントを抱え、処理能力はそれぞれ31万8500㎥/日と6万8000㎥/日で、シンガポール公益事業局に供給し、売上も同局より安定的に回収しています。
さらにアフリカ(アルジェリア、オマーン)にも進出して事業展開していますが、代金回収について疑問視され株価も低迷していますが、同社は、株式分割が原因だと主張しています。
一方中国にも進出し、天津で10万㎥の処理能力を持つ海水淡水化プラントを運営していますが、水不足の中国にもっと事業拡大する計画はないかとの質問に対して、「水不足は事実だが、しかし中国政府から海水淡水化よりも水処理が優先課題だ」として、同社も現在中国各地で40か所以上の処理施設を運営していると語ってくれました。このお話からも私は大いにヒントを得たように思いました。