マカオも構造転換が待ったなし

香港へ出発する前の情報では、お天気は下り坂で、40年振りに雪が降るかもしれないとのことで、それなりに防寒対策もしたつもりでしたが、いざ着いて見たら気温は4度、まったく暖房施設のないところで日本以上に寒く感じ、食事の際もコートを着たまま頂くくらいの寒さでした。それでいて冷やしたビールをオーダーしたら「冷やしたビールでいいの?」と何度も聞き返された始末。この季節例年は15~6度くらいで地元の人にとっても厳冬のようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

客室から眺めるギャラクシーホテル

香港での日程を終え、高速船で澳門に渡り、これまで何度も利用したリスボアホテル(旧館)の2階にある飲茶のレストラン、日麗にて昼食を取った後、早速銀河娯楽(ギャラクシーリゾート)に向かいました。会場には、同グループ投資家関係マネージャーのWINNIE LEIさんがわざわざ香港から出向いて出迎えてくれ、早速会場内を案内してくれました。ギャラクシーが開発し、敷地には、ギャラクシーのほか、シンガポール系のバイアンツリーホテル、日系のオオクラガーデンホテルもあって客室合計4000部屋を超える澳門最大規模を誇る施設だと言います。

澳門には、カジノのライセンスは同社のほか、サンズやウィン澳門など5社が取得されており、これまでのシェアは16%ずつの互角でしたが、ギャラクシーは今年5月開業の第二期ホールの後、同社のシェアは23~24%に躍進すると言います。

投資家としての関心は当然来場客数の変化や売上げなどの問題ですが、香港も澳門も一時「入国制限」措置を取られましたが、澳門は昨年の7月、制限を撤廃し、滞在日数も5日間から7日間へ復活されています。

噂されていた銀聯カードによる不正取引に関しても、ごく一部の店舗でのことで、報道で取上げられたほどの影響はないとのことでした。

訪問日は一年中最大の客入りの旧正月(春節)前の平日にも関わらず、一般ホールには、かなり大勢のお客様がカジノに興じている場面が目に留めました。

 

 

 

 

 


身長180cmもあろうWINNIE LEIさん(正面)が説明中

同社の決算はこれからですが、澳門カジノ監察局の発表によると、2015年のカジノの売上高は対前年比で34.3%減の2308億パタカ(澳門の通貨)、その内VIPルームの売上高は39.9%減の1278億パタカで、売上高に占める割合も80%から、現在の40%くらいまで落ちてきていると言います。

そのVIPルームをVIP客以外案内したことがないというWINNIE LEIさんはバイアンツリーホテルの上層階に特設されたVIPルームを写真撮影は絶対禁止という条件付きで特別に案内してくれました。ホテルのワンフロア―の約半分を占めるスペースに、カジノ台のほか、ラウンジ、マッサージルーム、ジャグジーその他施設を全部1人占めできるという豪華さに一行はかつて日本のマスコミを賑わした日本の○○製紙の御曹司のスキャンダルを思い出しながらVIPルームを後にしました。

中国の役人による腐敗を一掃することでVIPルームの売上げ減も確実となっていますが、2015年通年の訪澳客数は81万人減少の3071万人で、内陸からの客数は4%減の2041万人となっています。しかし、月単位で見てみると、昨年12月には1. 1%増の165万人に達し、回復の兆しが見え始めています。

滞在先ホテルの朝食会場には、家族連れも多く見かけ、400年の歴史を誇る世界遺産にも登録されている澳門は観光地としてもその魅力を増しています。

ギャラクシーグループは隣接の珠海市の横琴新区(特別区)に2. 7平方キロの土地をすでに確保し、リゾート地として今後開発していく方針であることをWINNIE LEIが明らかにしてくれました。

同社の呂志和会長は、「澳門の観光業はカジノのみならず、多角化を推進しなければならない。ファミリー要素を増やすことだ」と先日現地メディアに対してこのように述べています。

澳門も構造転換が迫られています。

 

 

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