不確実性の多い中、確実性を探せ

昨日は都内で恒例の勉強会を開催しました。猛暑日の中多くの方々にお越しいただき、イギリスのEU離脱やアメリカの利上げの影響、中国の構造調整、深セン・香港直通車の見通しなどについてお話をさせてもらいました。

「見える景色の向こうを見よう」というのが私の好きな言葉の一つです。「見えないところをどうやって見るの」と逆に質問されたこともあります。6月の投資視察団で成田・関空組が北京で合流し、夕食の会場であいさつし、「最近は長期的予想や展望がしづらくなってきた」と感想を述べたところ、参加者の一人は「そういう根拠は何でしょうか」と質問されました。

昨日の勉強会でも再度そのお話を披露し、昨年12月、米のQE終了後、次は利上げだと2、3年も前からFRBが利上げをすると言いちらしながら、ついに実行しなかった利上げを敢行しました。アメリカの実体経済が回復し、非農業部門の雇用者数も増加に転じたことで、年内には4回も利上げが行われるだろうと見られていました。

中国を含めて主要53行の中央銀行が利下げの中でのFRBの利上げ。上半期に2回目の利上げは確実だろうと大方の専門家の見方でした。ところが、利上げを支えるとされる非農業部門の雇用者数は思うほど安定せず、ここに来てイギリスのEU離脱もあって不確実要素が増え、6月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、再度政策金利の据え置きを決定したことがご承知の通りです。

一方、EU離脱に関しても、事前の世論調査で残留と離脱が拮抗という結果でも果たしてどれだけの政治家が本当に離脱という結果を予想したのでしょうか。政治の世界では「一寸先は闇」と言いますが、経済でも先行きの混沌化が日常化し、株式市場についても「ブラック・スワン」を常に気を付けなければならない時代になっています。

そうした不確実性の多い世の中で、確実性を求める作業がより大事になってきます。勉強会では、6月の視察団で訪問した会社の詳細について報告し、将来の見通しについて感想を述べさせてもらいました。医薬関係の会社を昨年に続き、今回も集中的に3社を見て回った理由についても、中国の人口構成は1963年(昭和38年)を中心に前後7年間生まれた人口は中国の団塊の世代に当たり、総人口の約45%を占めているという事実があるからです。

不確実なのは、訪問したどの会社の株が先に上がるかですが、確実なのは、団塊の世代人口はこれから高齢化に入り、その数は約6億人になるという事実で、これら人口の医療保障が大きなニーズになることは間違いないことです。そしてもう一つ、確実と言えることは、深セン・香港直通車が開通した場合(開通時期は不確実ですが)、必ず上がる株――A・H同時上場の株があることです。と言っても株価の開きが大きいほど、その会社はH株市場で評価されていないことですが、直通車の開通が発表されるとその差が縮小してくことはこれまでの上海・香港直通車でも立証されています。

そして、さらに確実と言えることはこういった価格差の株が上昇した後、必ずまた元値に戻ることです。「頭と尻尾はくれてやれ」とはこういう時に応用すべきではと思います。そういった価格差のある株を一覧にしましたので、必要の方には有料にてお分けします。不確実性の多い世の中ですが、しっかりした情報に基づき判断を下すようにして下さい。

 

 

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