原動力はイノベーション

上海A株指数は先週5176.79の高値から10%以上も下がり、この一週間で暴騰と暴落を繰り返しています。7月9日の勉強会に参加予定の方からは「最近中国株も低迷気味ですが今後の展開予想をお願いします」や「今回の大陸の急落は上昇過程の調整とは思いたいのですが、証券管理委員会はよ~く市場とは何たるかを学習しないといけないでしょうね」などメールやメッセージを頂くなり、皆様の関心の高さを伺えます。 


博耳電力 無錫工場 

先週一週間で北京、重慶、無錫、上海の4都市を見て回り、会社訪問以外、よく耳に入り、また目に入ったことは、「誰それがいくら株で儲かったか」という情報でした。「靴磨きの少年」も株を薦めるようになったら撤退の時期だと言われますが、今大学生の株式投資が問題視されています。 

二十歳前後の若者は宿舎で彼女や彼氏の話で盛り上がる時期であるにもかかわらず、今はもっぱら株式の話題となっていると聞きます。そうした風潮が留まる気配を見せない中、役人が信用規制などに乗り出すのもやむを得ないかなとも思います。 

中国のこれまでの成長は規制と緩和の攻防のプロセスで成し遂げられました。李克強内閣の掲げる施政方針の一つにも権力の開放で、政府の権限を最小限に止めようとするものですが、既得権益集団の抵抗を受けることも目に見えています。 

中国経済はいまどんな状況にあるのか、今日(26日)あすの二日間で上海で行われる「2015年陸家嘴金融フォーラム」で、輪番主席を務める証券委の肖剛会長は「中国経済は新常態(ニューノーマル)下にある。成長率は高速から中高速へ、また経済構造はローエンドからハイエンドへ、成長方式は規模ある速度型から品質のある効率型へ、成長のモチベーションも要素の増加から革新(イノベーション)駆動へと転換しつつある」とこのように挨拶しました。 

これまでの30年の成長は、外部からの依頼で生産、加工と言うプロセスから富を生み出してきましたが、今後の成長の原動力はまさに肖会長の挨拶にある通り、革新・イノベーションにあると言えます。 

製造大国でありながら製造強国になれていないという共通認識のもと誕生したのが「中国製造2025」です。その内容を振り返りますと、次の10大分野が育成産業として含まれています。1)新世代情報通信技術産業、2)ハイエンドデジタル工作機械・ロボット3)航空・宇宙装備、4)海洋工事装置およびハイテク船舶、5)先端軌道交通装備、6)省エネ及び新エネルギー自動車、7)電力設備、8)新素材、9)バイオ医薬及び高性能医療機器、10)農機設備、などの10大分野です。 

改革と革新はまさにこれからが正念場。保有銘柄に「中国製造2025」に乗っていれば、市場の上げ下げに一喜一憂することもなく、成長と共にその成果も享受できるでは、と考えます。

 

 

 

 

 

<お知らせ>

中国勉強会を7月9日(木)東京で開催します。参加者募集中 です。

関心のある方はどうぞご参加下さい。

 

 

徐さんの中国株の最新記事