聞くのと見るのとでは大違い

香港ハンセン株価指数は、昨日(16日)、17ヶ月ぶりの高値24,107ポイントで取引を終えました。出来高は2日連続1000億香港ドル台を突破し、大相場を予感させられる大商いとなりました。これまでの勉強会で、香港市場参考指標の一つに、出来高が1000億香港ドルを超えるかどうかだと指摘しました。平時は600700億香港ドルの出来高は2015年の大相場の際、3000億に迫る勢いを見せ、証券取引所や証券会社の株も大いに上昇しました。外部環境の改善と内陸経済のリセッション懸念が後退し、買いを誘ったのではないかと思われますが、最大の要因は内陸からの資金流入だと考えられます。

年初のブログに「2017年は投資の年」だと触れていますが、ハンセン指数は年初から8%以上、ハンセン国有企業指数は約13%上昇しています。物色のセクターは不動産や建設、保険、銀行などを見てみると、内陸の資金に好まれるものばかりで、資金の出どころも大よそ推測できます。

この流れは今後も続くかどうかは当社の関心事でもあります。これを把握するためにも、先日香港で2社を訪ねてきましたが、さらに3月には、今度上海と杭州(余姚や宜興)近辺で企業を訪問することにしています。 

先日邦銀傘下企業が中国市場をリサーチするため、訪問先を紹介してほしいという依頼を受け、証券会社経由で紹介しました。訪問先では、丁寧懇切に対応してくれたほか、何よりプロ中のプロで、リサーチしたいことはほぼ一ヶ所で情報のすべてを入手できて大変満足し、さっそくお礼の返信をもらいました。

久しぶりの中国訪問もあって次のように所感を綴っています。

「中国経済減速、というけれど、ミクロのレベルでは、生活水準は来る度にどんどん良くなっているように思う。パッと回っただけでも、①ペットを飼っている人が増えた。②お洒落なカフェーが増えた、しかも混んでいる。③男性がお洒落になっている。④結構英語が通じるようになった。⑤本当に貧乏そうな人を街中でほとんど見かけなかった」として「何事も現地に行って見て聞くのが一番だと感じた」と。 

本人は帰国してレポートを纏めるでしょうから、私の方からは、さらに「マイホームとマイカーも揃え、且つ貯蓄率は世界一」を付け加えた方がいいとアドバイスしました。 

中国商務省は16日、1月の外資利用(海外からの直接投資)状況を明らかにしました。春節という季節的要因もあって1月の外資利用は昨年比9.2%減だったのですが、中国への直接投資では、EU28ヶ国は前年比27.8%、日本は24.2%、香港は21.1%と昨年同月比それぞれ増えていることが明らかにされました。

一般紙の報道に惑われず、企業がどのように動いているのか数字を見てみることが大事です。また前出邦銀傘下企業の担当のように机上でレポートを纏めるのではなく、実地で考察することもまた何より大事だと考えます。

現に香港で訪ねた企業は大手と組んでニューエナジーカーに参入すると宣言されましたが、今回、自社製造ではなく、出資に留めるとお話を伺ったので、同社以前の報告から軌道修正したことが分かったのです。 

3月、一緒に企業訪問したい方はどうぞ声をおかけください。普段のツアーでは回らない小さな都市も見て回る予定です。

 

 

徐さんの中国株の最新記事