「中国株式市場の調整はほぼ完了」

ダイヤモンド・プリンセス号の旅も4日目を迎えます。出港は夜なので、翌日の終日、船内の施設「探検」と

参加同士の歓談でほぼ終日を使い、その日の夜、キャプテン主催のウェルカムパーティに全員フォーマル衣装で臨み、美を競う華やかなイベントとなりました。 

 

この旅には、当グループのほか、日本人の観光客は若干名で、8割方以上が白人で乗船時から「非日常」の連続です。 

しかし、乗船前から気になる記事があって、「非日常」の中でも、これを取り上げなければと、今日は4日から5日にかけて行われたG20中央銀行総裁と財務相会議で中国人民銀行(中央銀)総裁、周小川氏の発言の要旨をお伝えします。 

 

中国の金融市場について周総裁は、今年6月中旬以降、中国株式市場のバブルが膨らみに膨らんだ。3月から6月にかけて上海総合指数は70%も上昇した。このプロセスで投資家の信用倍率(レバレッジ率)が急上昇という問題が生じ、リスクの危険が顕在化した。6月中旬以降、中国株式市場は3回にわたって調整を繰り返した。最初の2回は世界的な影響がなく8月下旬の3回目は世界に影響を及ぼした。システム的危機を避けるため、中央銀を通していくつかのルートで市場に流動性を注入した。こうした措置により、株式市場の崖からの直下型暴落とシステム的危機の発生を食い止めることができた。株式市場の調整以来、信用倍率が大きく下がり、実体経済には著しい影響を及ぼさなかった。 

 

金融市場が相互に影響することを鑑みて、8月11日、中央銀は人民元仲値の決定システムを改革し、市場による為替レートの決定要素を増やした。これは人民元の為替レート市場化の重要な一歩である。米ドル高と新興市場の通貨安の影響で人民元の実質為替レートが元高の傾向にあり、金融市場を安定化させるため市場に流動性注入など、(為替レート改革後)人民元もある程度元安になった。しかし中国経済のファンダメンタルズに根本的変化はなく輸出入も大きな黒字を維持し、長期的に元安になる要素は見当たらない。現在、人民元対米ドルの為替は安定に向かいつつあり、株式市場の調整もほぼ完了し、金融市場は今後さらに安定に向かうだろう。金融市場に若干の不安があっても改革を進めようとする決意には変更がなく、今後も計画通り推進されるだろう、とこのように語りました。 

 

また同じくG20中央銀行総裁と財務相会議に出席した楼財政相は、伸び率こそ減速したものの、経済に喜ばしい変化も見られた。経済成長への貢献度では、消費が投資を上回ったこと、GDPに占めるサービス業の割合が工業を超えたことと貿易黒字の割合が下がったこと、国際収支がさらに均衡を保たれていること、上半期の新規就労者数は700万人を超え、経済成長の品質が向上し、生態環境が改善された、と挨拶しています。 

 

中央銀総裁が株式市場についてコメントすること自体は稀のことですが、「市場の調整がほぼ完了した」とは異例とも言えます。周総裁のコメントを頭に入れて市場の推移を見守りたいと思います。

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