「風立ちぬ」

今年の中国経済については、L字型またはU字型、W字型回復と様々と予測が出ていますが、共通するところとしては、ハードランディングにはならないだろうと言う点です。「底に付きこれ以上、下がることはないだろう」というところは香港の株式市場にも当て嵌められます。

このブログで香港の上場企業の平均したPERは1998年のアジアの金融危機当時のレベルまで落ち着いていることを触れたことがあります。ハンセン指数に至っては昨年最高値の28000を超えた後、上海市場の暴落と共に、10000ポイント以上も下がって18000ポイント台まで下がっています。

それがここに来て昨年4月と同様の動きを見せるようになってきています。当社「中国企業情報 」の3月12日号では、「香港証券取引所」を取り上げて購読者に送信しています。前日の株価は172香港㌦だったのですが、昨日の終値は10%以上も上がって196香港㌦で引けています。

香港市場を観察するもう一つのバロメーターとしては、香港上海銀行(HSBC)の株価の動きです。同社株価も近年の最安値より10%近く上昇しています。昨日同行臨時株主総会が香港で行われ、株価が安値水準にあるいま、買戻しの計画はないかとの株主の質問に対して、必要に応じて対応するという同行総裁が答えたことが一段と買われたことに繋がったと報じられています。

 

 

 

 

 
7月にでも開通発表と報じたテンセントファイナンスのWebサイト

そして市場の関心は深センと香港直接取引の直通車はいつ開通されるかに移っています。本日、外電として「テンセントファイナンス」を始め、経済各紙やポータルサイトでは、中国は7月前までに深セン・香港直通車の開通発表を模索」と報じられています。

外電とは、ブルームバーグのことで、それによると、開通発表は次の三つがタイムリミットではないかとのことで、一つは5月の全人代議長の訪港の時、もう一つはMSCIがA株を新興国市場指数にA株を採用するかどうかを決定する前の6月、そして最後は香港の中国返還日に当たる7月1日までとされています。

なぜ、深センと香港の直通車はこれだけ期待されているかと言うと、上海と香港直通車の場合、取引対象に指定されたのは所謂ハンセン指数やハンセン国有企業指数、大型株指数に上海と香港の同時上場株でしたが、深セン・香港の場合、ハンセン総合小型株やAH価格差株だろうと見られています。上海市場に上場されているのは大型国有企業であるのに対して、VCや小型企業株、GEMなどが深セン市場なのです。投資家の嗜好も香港市場の小型株に似ているところから、深センと香港の直通車が期待されているのです。

では、直通車が開通された場合、どんな株が先に買われると思われるのでしょうか。2014年の上海・香港直通車の時には、大相場を迎えたことはありますが、お浚いをすると、浙江世宝(1057)、山東墨龍(0568)、海信科龍(0921)、東江環保(0895)、中国国際コンテナ(2039)などA株とH株市場に同時上場の株などが挙げられます。

香港市場の上昇には、A株市場の安定が前提と必要条件です。株式投資も風が来る前に備えることです。

 

 

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「風立ちぬ」」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:個人的には、これが、そば上昇のすべてを握る、、と思います。 米投資サビー、専門家で、先ず中銀がカギと見る人は、いません。コモの発動がすべての基準点。リチューム、陽発電池の新興企業等の紹介が、欲しい。。。深玔は、ある意味、そこらぐらいが、攻め股份で、Hong Kongにある会社は、Hong Kongで、いいのではないか。。。深玔の膨大な、新情報がほしくてたまらない。

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