今年の中国経済はL字?U字W字?

「上海合意」の真偽についてはともかく、第1四半期のGDPは3月上旬の「中国売り」とは裏腹に6.7%の成長を達成したこと、また関連した経済指標もプラスか前月比マイナス幅が縮小したことで株式市場では大方ポジティブな反応が示されています。

問題は「良いスタートを切った」経済は今後も持続可能かどうかが投資家にとってより重要なことです。

これについて、GDP成長率を発表した国家統計局の報道官は次のように述べています。

「短期的に見て、中国経済は段階的にU字型またはW字型回復になるだろうが、中長期的にはL字型で続くことになるだろう」と。

経済や企業業績の回復について、回復が立証された時点(決算発表など)でV字回復という言い方が一般的ですが、弱弱しいけれども、緩やかに回復していることをU字型回復(U-shaped recover)、いったんは成長軌道に乗ったものの、先細りになり、再び底を打ち、これを数回繰り返すことをW字型回復(W-shaped recovery)、景気低迷で経済がダウンし、底入れはしたけれども、上向きもせず横這い状態がしばらく続くことをL字型回復(L-shaped recovery)と言います。

これまでの30年、好景気に支えられ、不況知らずの人もいて、アルファベット26文字の内、報道官は割合にして11.5%も占める3つの文字も使って現状を表現しているくらいなので、中国経済はしばらく混沌とした状況が続くのでは、との分析も出ています。

国際通貨基金(IMF)が今月中国の経済成長率を従来の6.3%から6.5%まで引上げた背景の一つに、昨年末から続く中国からの資本流出がここに来て流出が止まり、逆に流入が目立つようになったことが挙げられています。

昨年12月、中国の外貨準備高は1079億米ドル、今年1月にも995億米ドル分のマイナスで、あまりにも急な減少で世の中をアッと驚かせました。ところが、2月には減少額が286億米ドルに留まり、3月には逆に103億米ドルプラスになったことで、資本流出の圧力が緩和されたと見られています。

一方、米財務省が15日発表したところによると、今年2月、中国は米国債144億米ドル分を、昨年11月から以降3ヶ月ぶりに買い増ししていることを明らかにし、米国債の最大保有国であることを維持するとともに、中国の外貨準備高には余裕ができたことが示されています。

株式投資の拠り所は一般的に①ファンダメンタルズ分析 ②テクニカル分析 ③センチメンタル分析に大別すると言われます。③についてはこのブログを読めば大凡流れを掴んでもらえますが、②についてはこのブログの読者には少ないだろうと考えます。

邱先生の教えの基本は長期投資なのでこの教えに基づき、ファンダメンタルズ分析から着手し、企業訪問もその一環として現在も続けています。先週日曜日の「四環医薬 」との昼食会では、同社のみならず業界のお話を聞くことができたことは「四季報」を何遍読むことよりもお役に立ったなと感じています。

新任中国証券委主席(委員長)の劉士余氏は先週就任以来3度目に公の場に現れました。氏は16日、深センで証券関係者と懇談会を行ったと伝えられています。初の外遊先に金融センター候補の上海ではなく、深センを選んだことについて深セン・香港直通車絡みなのではと憶測されています。

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