ダブルパンチの香港市場

香港市場はギリシャショックと本土市場暴落の影響で揺れに揺れています。ギリシャは人口凡そ1100万人ですが、今回の財政改革案に対する住民投票でEU及び世界市場に与える影響は、人口のシェアを遥かに上回り、帳消しをしたい債務の金額よりも先行きに対する不安が計り知れないものでした。 

一方、中国本土市場は6月12日の高値5178.19ポイントから先週金曜日までの14営業日で、1491.27ポイント下落して率にして何と28.79%暴落したしたことになります。 

これに対して、当局は緊急対策として、政策金利の利下げや売買手数料の引下げ、融資資格や強制決済などの基準判断を証券会社に任せるなど矢継ぎ早に打ち出していますが、しかしその政策の役割も午前中で消化され、後場に入ると、また下げに転じることの繰り返しでした。 

先週末の4日と5日、北京金融街にある中国証券監督管理委員会の入居するビルに、証券会社の担当者たちが忙しく出入りしていました。 

証券委は国内証券20数社の責任者を呼び、緊急対策会議が開かれていると言います。会議の内容は4日(土)13時(日本時間同14時)に、中国証券業協会のポータルサイトで発表されました。 

それによりますと、1) 証券業協会加盟21社の証券会社は2015年6月現在の純資産の内、その15%、合計1200億元をねん出し、国有企業などのETFに投資することを決めたこと、2) 上海総合指数は4500ポイント以下の場合、7月3日現在の残高に基づき、自社売買株については売却せず、時期を見て買い増しをすること、3) 証券会社は自社株の買戻しをするほか、大株主にも買戻しを勧めること、4) 追証の割合を状況に応じて調整すること、などが盛り込まれ、更に公開予定の28社のIPOを延期させるなどと発表しています。

数値目標まで打ち出されたこれら緊急措置は自由経済の原理原則に明らかに反するものですが、株式市場の下落は現在進められている経済の構造転換に悪影響を及ぼしかねないという政府の危機感が露わになっている何よりの証拠でしょう。 

上海、深センの時価総額はGDPの63兆元を上回る規模になり、1200億元の買い支え資金は焼け石に水でしょうし、むしろ4500ポイントを明示したことで、管理当局のボーダーラインを市場に示した意義が大きいものと考えます。 

しかし、閉ざされた市場だけあって、世界市場への影響は限定的ですが、お隣香港はもろに影響を受けています。口先だけの介入は限界が見えてきています。 

中国証券委は昨日(5日)公告を発表し、株式市場の安定を維持するため、「中国証券金融有限公司」の役割を存分に果たし、中国人民銀行は多ジャンルでこれに流動性の支援を提供することを明らかにしました。今後の中央銀の動向や業界団体の動きを注目したいと思います。

 

 

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ダブルパンチの香港市場」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:便秘が改善するブログをやっている@Kといいます(●´ω`●)ゞ記事ネタ探しに検索したら、ヒットしたので来てみました(*^▽^*)人の視点って色々違うので、様々なブログに出会うことって楽しいですよね♪(^人^)次回も来たいです~

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