不動産の不良債権 全体の4%

投資視察団は20日に出発し、26日に帰国しました。訪問都市は大連、瀋陽、天津と北京の四都市で、地図を見ればすぐにわかるのですが、渤海湾を囲むような形で点在し、移動距離が近く、効率よく回れることもコース選定の理由の一つでした。

 

大連にはロシアと日本の植民地時代の建物が老朽化しているものの、まだ数多く残り、逆に日本人街というところは、レトロ風に改造され、大きく変貌しようとしています。

大連から瀋陽、そして瀋陽から天津までは思い切って中国版新幹線で移動することにしたのです。

 

          夕日の照らされるマンション群

中国の高速鉄道(新幹線)は列車の順番を示す数字の前にGとDのアルファベットがつくのですが、Dの場合は最高時速250km、通常200kmで走る電車のことで、Gがつく場合、最高時速350kmで、通常300kmで走る高速鉄道のことを指すと言います。

 

今回はすべてGがつく高速鉄道でしたので、車両の電光掲示板には、最高306kmが出ているのを確認しています。

大連から瀋陽までは400km弱で、高速鉄道では、2時間10分ほど、瀋陽から天津までは約660km、高速鉄道ノンストップで所要3時間30分でした。

 

昔から関東平原と言って山海関から東は中国一の穀倉地帯でした。今回は2回に分けて合計5時間以上移動しましたが、残雪の覆う平地が延々と続き、天津に近づくにつれ平原の向こうに夕日も見えて一瞬感動も覚えました。

 

しかしそれより更に目に残っていたのは、沿線に建てられたマンション群でした。マスコミのお蔭で中国のマンションは「過剰生産」され、多くの地域にゴーストタウンができていたという「予備知識」が入っているため、企業訪問でもついそのような質問も出ています。

 

「不良債権の中で、不動産がらみの不良債権の割合は全体のわずか4%に過ぎない」、中国四大資産管理会社(AMC)の一つ、中国信達(1359)の董事会秘書役、蘇マネージャーがこのように述べた上、視察団の皆様が利用した高速鉄道は、人口密集の在来線とは違い、従来の住宅の少ない地域を通っているので、その沿線に新築のマンションばかり建っていることは事実だと思う。しかしだからと言ってすべてがゴーストタウンになっているわけではなく、大都市やその近辺では依然需要が高い」と説明し、投資家が心配しているほど不良債権処理担当の当の本人は、不動産の不良債権化について気にしていないのがまた印象的でした。

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