深港通――直通車の汽笛が

昨日、当社新宿の事務所にて、オンラインで水処理の北控水務の北京オフィスを繋ぎ、同社説明会を行いました。凡そ1時間半の説明が終わって取引中の株価を全員でチェックしたら、同社株価が最近見ない上昇幅を記録しているほか、証券関連の株価が上昇を示すグリーン一色になっていました。「証券株が上昇し始めたら直通車はもうそこだ」と皆一様に笑みを浮かんでいました。

一昨日(10日)、香港証券取引所(0388)が上半期の決算を発表しました。昨年の増収増益と比べて、中間期決算は売上高18%減の56億3000万HKD、純利益27%減の29億8000万HKD、EPSも29%減の2.47HKDでしたが、市場の反応は意外と冷静で、同社株価も2.92%上昇し、ハンセン指数を大きく押し上げた結果となりました。

それもそのはず、昨年の増収増益は大相場のおかげで、通常の取引高に戻ったのが中間期決算の結果そのものでした。決算発表の席上、同所李小加総裁は、香港証券取引所として深セン香港ストックコネクト(深港通――直通車)のための決済その他システムのテストもすべて完了し、技術的には万全を整え、監督機関のゴーサインを待つばかりだと表明し、最近直通車に関する情報があまり伝わっていないことに関連して、「サイレントが長いほど開通も間近だということを意味する」と付け加えました。

氏の発言を受けて証券株やAH同時上場株が期待先行で早速買われ大きく上昇しています。同じ日にメディアは、証券監督管理委員会に「深港通」専門チームが立ち上げられたと報じ、グループリーダーに方星海証券委副主席が就任し、証券委のほか、法務、会計、上海と深セン両取引所、中央決済有限公司など関係15部署のスタッフが加わっていると具体的に伝えられています。

こうした報道を受けて証券の英皇証券が12.85%、第一上海は11.11%、国泰君安国際は8.33%と大きく上昇したほか、AH同時上場で価格差が一番大きい浙江世宝は前日比約15%高と大きく上昇しています。説明会の終わりに、参加者からはなぜH株が安いのに、内陸の投資家は安い方の株を買わないのか、という単純なご質問がありましたが、1) H株投資のハードルが依然高いこと(口座残高50万元――約750万円必要)、2)内陸の投資家に情報が足りないこと、3)為替損を心配していること、などを上げてご説明申し上げました。

しかし、上海・香港の直通車が開通してまもなく2年を迎えます。香港市場に関する情報も経済紙はじめ関連証券サイトも随分と取り上げるようになっています。投資のハードルも随分と引き下げられるだろうと伝えられていますので、参加する投資家も「上海・香港」よりも増えるだろうと予想されます。

香港証券取引所は高速道路の「料金所」のような存在で料金を支払わないとゲートを通れないし、通行する車両が増える分、徴収する通行料も増えます。その分、同所の売上高も利益も増えることになります。単純と言えば単純なことですが、直通車相場は長期戦ではないことを肝に銘じていただきたいと考えます。

今日の上海深セン市場は上場会社の約8割に当たる2200社以上が上昇し、ハンセン指数も年内の高値を更新しました。直通車の汽笛が今にも聞こえそうな気がします。

 

<お知らせ>北控水務説明会の資料をご希望の方は当社HPをご参照ください。

 

 

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