GDP6.9%から読み取れるものは

昨日(19日)、2015年の中国の国内総生産(GDP)が発表されました。2015年のGDPは67兆6700億元、対前年比で6.9%の成長となることが国家統計局により明らかにされました。

市場の大方の予想と一致したため、株価的にも織込み済みで、昨日、上海も香港も大幅に上昇しました。

中国は1990年代に入ってから、1998と99年の2年間アジアの金融危機の際には、GDPは8%を一時割切ったほか、20数年間伸び率を8%以上維持してきました。2012年には、初めて8%を割切り減速が現実となり、そして2015年にはついに7%を割切って構造転換を迫られる「ニューノーマル」の時代に入った一般的に見られています。

しかし、世界的に見れば、景気後退とは言え、世界主要国や新興国の中でも依然1,2を争う成長率で、10兆ドルを超えるGDPの上に6.9%の伸び率なので、世界経済の中でも依然30%の割合を占め、けん引する役割に変わりはないと考えられます。

唯一中国と対抗できるのはインドのGDPで、世界銀行の予測では2015年には7%を超えるのではないということですが、インドの経済規模は2兆ドルなので、まだ中国の五分の一程度に留まっております。

とはいうものの、一人あたりのGDPを見てみますと、中国はまだ8000米ドル前後で、日米の3万8000ドルや4万ドル以上と比較すると、まだその端数程度で、これまで成長を支えてきた不動産や加工業などが鈍化すると、今後の成長を引っ張っていく産業の育成が喫緊の課題となります。

不動産市場の過剰について、シンクタンクや研究者などから様々な数字が出ていますが、GDP発表の際、初めてその全容が明らかにされました。2015年全国の分譲待ち住宅(在庫)は7億1800万㎡で、国民一人当たり30㎡が(住宅の)基準だとすれば、在庫分だけで2億4000万人分の住宅には現在買い手がつかないまま「放置」されている状況です。

しかし、悲観的数字ばかりではありません。固定資産投資の伸び率が落ちてきているのに対して消費分野の小売りの名目成長率は10.7%伸びの30兆931億元で、GDPの伸び率を大幅に超え、新たな成長のエンジンになりつつあります。

中でもネット販売は対前年比で33.3%伸び、実物(現物)以外の消費(ゲームなど)は42.4%伸びていると言います。GDPに占める第三次産業の割合は対前年比で2.4%増の50.5%と初めて50%の大台に乗り、第二次産業より10%も超え、経済の構造転換に効果が見え始めたと指摘されています。

またハイテク産業の伸びは10.2%で、中でも宇宙開発、航空機製造などの伸びは26.2%、エレクトロニクス、通信設備製造は12.7%、ケミカル製造は10.6%、医薬品製造は9.9%と今後の経済成長をけん引していくだろうと見られる産業のひな形が出来ていると期待されています。

 

 

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GDP6.9%から読み取れるものは」への3件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:お久しぶりです。私は、航空機関連と鉄道関連に注目していますよ。本日、暴落に備えていた資金で、前から気になっていた銘柄を購入しました。どうなることやら。こういう時に買うと、多少含み損になっても、すぐ戻すところがいいんですよね。

  2. SECRET: 0PASS:先ほどブログ読ませて頂きました☆自身が完全歩合の世界に入ったきっかけなどを書いています。もしよろしければ僕のブログを見てみて下さい♪また記事見に行きますね!

  3. SECRET: 0PASS:ども!勉強のためおもしろそうな記事を探していた所です(=^・^=)読みやすい記事ですね!私もそんな風にシンプルにしていこうと思いました☆ブログ続けるのって大変ですよね汗。でも頑張りましょうね(。・・。)

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