3日、4日の本土市場の休場は、市場の監督官庁にとって救命の時間稼ぎとなりました。
2日の夜、証券委は恒生公司、銘創公司、同花順公司の3社に対して証券業法違反(無資格経営)で、違法な売上高の1億4800万元の没収と4億5000万元の罰金という処分を言い渡した。
証券委の発表によりますと、上記3社は株取引のシステムを開発し、窓口で実名で口座を作らなくても同システムを利用しますと、株式の売買ができますし、また融資、決済もできるシステムだと言います。
同3社はライセンスを持っていないとわかっていながら、同システムをクライアントの顧問会社などに売却し、大量の裏口座を作ってしまい、市場の秩序を乱してしまったと言うのが処分の理由として挙げています。同時に、3社の会長や社長に対して30万元から5万元までの罰金という行政処分を下しています。
システムの開発者に対して処分したものの、これを使ったクライアントへの処分はと思ったら、本日現在特に処分や刑事罰の発表はありません。
一方、中国金融先物取引所(CFFEX)は同じく2日の夜、「市場管理を強化し、市場の過度な投機を厳しく規制する通知」を発表しました。
それによりますと、① 9月7日から、滬深300、上証50、中証500指数(以下「ETF」という)先物取引の個別商品の内、1日の売買は10回を超える場合、異常取引と見なすこと、②上記ETFヘッジ目的以外の取引に関する保証金を現在の30%から40%に、ヘッジ目的取引に関する保証金を現在の10%から20%に引き上げること、③ETF先物取引手数料に関して、当日売買の取引に関して0.000115(1万分の1.15)から0.0023(1万分の23)に引き上げること、④ETF先物取引に関する口座の内、長期にわたって取引が行われていない休眠口座の管理を強化すること、のような内容です。
今回の本土市場の暴落のきっかけについて、過剰なレベレッジから米国の陰謀論に至るまで様々な説が飛び交っていますが、ETF先物取引の出来高は上海深セン両市場の出来高を超えたこと、ETF先物取引が下落すると、現物市場も必ず下落するということ、更に先物取引がT+0で当日の売買ができるのに対して、現物取引はT+1で翌日になってからでないと売買できないという理由を挙げてETF先物取引が暴落に追い打ちをかけたという声が上がっています。
市場が暴落すると、必ずヘッジファンドを悪にする声が出てきます。中国での指数先物取引は2010年4月に上海市場に誕生した歴史の浅いマーケットで、これを使いこなせるのは
まだ一部機関投資家に限られることでしょう。早々にこれを閉鎖するようと言う声もありますが、市場原理に反するような規制が施されますと、市場の閉鎖性と衰弱性が露呈されます。モグラ叩きのような規制を見てみますと、まだまだ成長途中にある市場だなと感じます。
また同時に、海外の投資家として未熟な市場を相手に取引をしているという覚悟も必要だと感じる今日この頃です。