「未熟から成熟へ」

明けましておめでとうございます。年頭に当り、皆様にとって良いお年でありますよう祈念致します。

2015年は激動の一年でした。投資家目線で中国経済を振り返る際、製造業の停滞により、銀行の不良債権増の危機が現実化とし、インターネット金融を象るP2P業界の危機が一触即発で、不動産市場の消化不良も表面化しています。何より上記危機が起こっても未然に防ぐ手立てはなく、監督、監視が後回しになる監督管理体制の危機が懸念される事態の頻発でした。

これら危機を解消しようと打ち出されたのが、供給者側(サプライサイド)改革という新しい視点のコンセプトでした。昨年夏ごろの株式市場の乱高下を経験した後、「資産荒」(資産配置に迷うこと)と言う言葉が経済紙を賑わしています。投資標的がなくなり資産運用に迷うことを表現した言葉です。

今年の株式市場の大きなイベントは、上場企業IPOの行政審査より登録制に変更すること、そして投資家にとって直接関係してくる深セン・香港市場をつなぐ直接取引の「直通車」の開通です。登録制の目玉は、上場基準、審査を緩やかにし、事後監督、評価そして上場廃止基準を厳格化することです。

また中小企業やVC企業の多い深センと香港市場の相互直接取引により、上海・香港直通車以上に個人投資家の参入が増え、取引の活発化が期待されます。

「未熟から成熟へ」2015年の中国株式市場に対する感想の一言です。需要喚起のハイエンド製品とサービスの提供が求められる「供給者側改革」に大きく期待しています。2016年はとても楽しみです。 引き続き『徐さんの中国株』を発信中です。今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

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