「風力発電は伸びるセクター」――上海電気

国有企業改革は株式市場の大きなテーマの一つです。改革の目的は経営資源の効率的活用で、不採算部門を上場会社から切り離して売却か親会社に買い取ってもらうことです。これを徹底的に執り行う会社は評価され株価も上昇しますが、逆のケースもあります。

まず、上海電気の事業概要を同社李部長の話として触れておきます。

 

上海電気 李重光部長がお出迎え (同社上海本社にて)

以下は『中国株エクスプレス』7月14日号で発信した投資説明会の内容です。

李重光投資家関係部長:ようこそ、本日お越しいただきました。まず私から会社の概要についてご紹介し、それからご質問にお答えしたいと思います。

市場では、当社に対して懸念が一つあるようです。当社発電業務の内、石炭発電の割合は少し大きく、環境に対する影響で業績に不利な影響があるのではないかということです。しかしながら、マーケットでは、石炭発電の需要は毎年35~45GWの伸びで依然あるわけです。当社も今後数年間、売上に占める石炭発電の割合を2014年と同レベルで維持したいという目標を立てています。

そしてもう一つの懸念は価格競争で利益が下がるのではないかと言うことです。2014年までは確かに価格競争に巻き込まれたが、しかし、2014年からの受注では、(下がるどころか)4%単価は上がっています。

今後1~2年の伸びは風力発電のセクターにあると考えます。2014年風力発電(設備)の売上は73.8%と大きく伸びています。この内新規受注は135%増の94億4000万元、単価も前年比で7%上昇しています。受注が増えたこと、受注単価が上昇したこと、コスト削減も功を奏したことで、風力セクターの粗利は前年の4.9%から2014年の11.4%まで上昇しています。(プロジェクトベースでの)引き渡しで見る当社の市場シェアは2013年の6.3%から7.5%まで上昇し全国で6位となっています。

風力発電での当社の目標ですが、陸上(風力)発電では全国の3位に、海上発電では、1位になることで、2017年には売上高100億元を突破することです。

次に、原子力発電についてです。原子力発電は原子炉とタービンなどの建屋に分けられます。原子力発電の売上高(2013年の22億0200万元から2014年には18億1700万元へと17.4%減少)の原因には、福島原発事故の影響で受注済みプロジェクトの一時停止または延期のためだと言えます。現在の受注額は140億元で今後3~4年で引き渡すプロジェクトです。中国政府の原発建設の認可再開に伴い、その売上高は2017~2018年の財務諸表に反映されるだろうと思います。」<続く>

 

 

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