利益は大相場から

「元値になったら全部売って株と縁を切る」。中国株に限らず、市場大暴落の際、投資家心理が冷え込んで投資経験者は誰でも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。 

株式投資では、お金儲けよりも、損をしないことの方がよっぽど難しいと言われます。大相場は5年や10年に一度ある程度で、残りはすべて修行(我慢の連続)だとも言われます。 

中国本土市場のこの夏の大暴落で嫌気を指した人も多いのではないでしょうか。中国人民銀行の易剛副総裁は、10日ペルーの首都リマで行われたIMFの年次総会で挨拶し、連続の人民元安は中国経済のファンダメンタルズには合わないこととして「株式市場の大幅な変動はすでに終了し、実体経済への影響も限られている。中国は市場監督の枠組みを評価しこれを改善するようにする。また適宜な時期に市場の正常な運営措置を取るつもりだ」と、市場の一連の対策をこのように振り返っています。 

市場安定化のために、中央銀行総裁や財政大臣、引いては首相や国家主席まで言及していることは極めて異例なことです。 

これに反応したのか、10月に入ってから、上海市場も香港市場も大幅に上昇しています。 

中でも注目は9月に入ってから、香港の中央銀行の役割を果たす金融管理局が40日間で、14回に渡って香港㌦売り、米㌦買いの市場介入を実施し、介入の規模は4月の大相場に入る前の715億香港㌦を上回る約803億香港㌦に達していることです。 

8月11日に、人民元の切下げ発表の後、元安はさらに加速されるだろうという思惑で、元を米㌦または米㌦とペッグしている香港㌦へ替える動きがあって緊急避難先として香港に資金が流れただろうという見方もありますが、専門家は、米市場からの流入が増えたことを踏まえて、これらの資金は香港市場を狙うもので、市場に対する心理の回復ではないかと指摘(12日付「香港経済日報」)しています。 

介入により先週末まで、香港銀行の決済口座残高はこれまで最高の3660億香港㌦に達したことが明らかになりました。 

株式投資の銘柄選定で、様々な方法論はありますが、① 大相場(潮の観察)かどうか、② 企業のファンダメンタルズ、③ テクニカル分析などとありますが、個人の眼力よりも、儲けの八割方は大相場によるものではないかと考えます。大相場に備えるためにも、常日頃の情報収集能力がモノを言います。大相場はいつも静かに訪れるからです。

 

 

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利益は大相場から」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:中国市場の調整は終わり、やっと経済の実体を反映する相場に移行しそう。本土の年初の急騰は本格的な大相場の前触れだったのでは。大相場のスタートと終わりは得てして予想外の変動があるものですね。新シルクロードもアジアインフラ銀行もそろそろ本番、面白くなりそうです。

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