映画は最盛期にある業界

『中国株エクスプレス』発信「IMAX CHINA」の続きです。

映画業界と言っても、制作、発行(配信)、映画館(シアター)と大きく分けられますが、「21控股」(1003)や「阿里影業」(1060)などよく知られている上場会社もあります。本日取り上げるのは、9月24日からIPOを始めたIMAX China(予定証券コード1970)です。

IMAX Chinaは米国上場のIMAX Corpの中国業務を分離独立させたもので、IMAXブランド(IMAX映画館の建設運営、映画配信、関連商品、グッズ販売)の独占代理、販売の会社です。

主な業務は①IMAX映画館のデザイン、設計、建設及び運営管理と、②ハリウッドや中国語版の映画をアップコンバートし、中華圏のIMAX映画館で上映することです。

売上高の内訳は映画館の業務は76%(2014年)で、映画業務は24%(同)となります。売上高はずばり映画館の入場料(チケット)の取り分と、制作会社からのアップコンバート費用の上映収入の取り分です。

IPO目論見書によりますと、6月末現在中華圏でのIMAX映画館は239軒で、大陸ではその88%の221軒を有し、更に174軒を2018年末までに完成する予定となっています。

前出のように、中国の映画業界の複合成長率は32.9%に対して、世界平均は4.2%に留まり、映画の興行収入は2013年凡そ218億元で、2017年には730億元(entgroupデータ)に達するだろうと見られます。

また、IMAX映画館の軒数もこの4年間平均30%以上で伸びており、2012年までハリウッド映画の輸入は年間20部まで規制されていますが、2012年以降、IMAXまたは3D映画を14部まで輸入が拡大され、現在訪米中(9月当時)の習近平氏がマイクロソフト社で3Dメガネを着用したりしてバイクのデザインに挑戦したという報道もあり、IMAX、3D映画の輸入は今後さらに拡大されるものと考えられます。

IMAXの強いところと言えば、①従来の映画放映技術を打ち破り、従来の映画放映市場以外では80%以上のシェアを持つこと、②軽資産が特徴で、運営コストはほぼ固定され、粗利率は50%以上、今年の上半期は更に(粗利は)70%に達したこと、③IMAX基準を作った会社で、中国最大の映画館運営の万達グループ傘下の万達シアター(2014年の興行収入42億元、来場者数1億0200万人)と提携。2011年に同社と合弁の映画館をつくり、2013年Wanda Plazaで40から120軒のIMAX映画館をつくる契約を更新したほか、合弁で米本土でも5から10軒のIMAX映画館をつくることを契約しています。

IMAXの上場予定は10月8日で主幹事証券会社はモルガンスタンレーと中国国際金融有限公司で、9月30日に発行株価が決定される予定です。消費兼エンターテインメントセクターで、上場までまだ時間(9月時点)がありますので、関心のある方は調べてみて下さい。

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以上は9月24日発信の『中国株エクスプレス』の内容です。「今さら映画?」と思われるかもしれませんが、ネット3雄のBATが自社動画サイトを運営しながら、いずれも映画業界に参入していることは今が最盛期にある裏付けではないでしょうか。

このようにすでに上場している会社やIPO情報などを『中国株エクスプレス』で今後も取上げて参ります。今年度は期間限定で発信して参りましたが、間もなく今年度の発信が終了になります。来年は個別企業の情報のほか、業界の見通しなども発信の予定です。関心のある方はどうぞお問い合わせください。

<お知らせ>

1.実務ツアーは定員で締切になりました。たくさんのお申込み有難うございます。「福臨門」だけでも、とご参加になりたい方は受付可能ですので、どうぞ声をお掛け下さい。

2.1月14日(木)東京で中国勉強会を開催します。参加者募集中です。関心のある方は当社HP よりお問い合わせください。

 

 

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映画は最盛期にある業界」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:いきなりごめんなさ?い(;・∀・)コメしたくなるBlogでしたのでさせてもらいます!人のブログはなるほどって思います☆勉強になりましたぁ。まだまだアメブロ歴は浅いですがよかったら仲良くしてください((。・ω・)ノ゙

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