映画産業 来年も要注目

2015年も残り少なくなりました。今年の株式市場は稀に見る暴騰暴落で中国の証券史上に特筆される年となることでしょう。暴騰暴落に便乗してインサイダー取引などの疑惑で役人も含めて多くの関係者が当局の調査を受ける身となりましたが、そもそも暴騰暴落のきっかけは無謀なレバレッジの利用だったことで、8月から以降の証券委の仕事は、「場外配資」(規制外の信用取引)の取締でした。

この取締が功を奏して、株式市場も正常に戻りつつある矢先に、同じくレバレッジを最大限に運用して、取引高数十億元の宝能グループが数千億元規模の万科の株式を22%以上も買集め、筆頭株主になったハプニングが発生しました。株主争奪戦、引いては経営権を巡る争いは熾烈さを増すことでしょうが、これもまた中国の証券史上に残る大事件となることでしょう。

『徐さんの中国株』も予定を一部変更して宝能・万科の争奪戦を取り上げましたが、万科の取引停止に伴い、現在一時ストップのため、予定の『中国株エクスプレス』にて紹介の会社情報を取り上げることにしました。

『徐さんの中国株』では、中国の映画産業にご注目を、と数回取り上げました。今日はご紹介するのは、9月24日の『中国株エクスプレス』で取上げ、10月8日に上場した「IMAX China(1970)」です。IPO価格は31香港㌦でしたが、その後も堅調に推移しています。以下、『中国エクスプレス』9月24日発信の内容です。

映画業界 「IMAX China」10月8日に上場

始めに 

中国株は6月中旬以降の暴落からすでに3ヶ月を過ぎています。香港株(ハンセン指数)も高値から3割近く下がり、香港市場のPERは史上最安値近辺で動いています。これまでご紹介の企業も含めてどの銘柄も安値に近い水準で推移しています。

習近平氏の訪米に同行する企業を見ましてもネット三雄と言われるBAT(BIDU、アリババ、テンセント)の3社の会長が顔を揃え、中国の経済構造の転換には、イノベーション企業とサービス産業に依存する方向に舵を切ろうとしていることが分かります。

BATの3社は、それぞれ検索最大手(BIDU)とEコマース最大手(アリババ)、SNS最大手(テンセント)が業界を牛耳っている立場ですが、共通点もたくさんあります。その一つに2014年から3社ともに映画業界に参入していることです。

GDPやPMIなど経済関連の指標は共に減速している中、映画業界は好況を続け、2002年から2013年までの11年間、映画館の売上高の複合成長率は米国に次ぐ世界第二位の32.9%で、都市部においては10倍以上も伸びています。今日はその映画業界の上場会社についてご紹介します。<続く>

 

<勉強会のお知らせ>

1月14日(木)東京で中国勉強会を開催します。

中国経済及び株式市場の最新情報をお伝えする

勉強会です。関心のある方は当社HP よりお問い合わせください。

 

 

徐さんの中国株の最新記事