1本調子には行かない中国株

中国本土株式市場は4000ポイントを巡って売りと買いが「争奪線」の様相を呈しています。 

暴落した市場を買い支えようと、監督官庁から様々な対策が打ち出されていますが、未だ売りの元凶が特定されず、売りを堰き止めることもできていない状況が続いています。 

その中で、中国航空工業傘下の「中航資本」という上場会社の総経理が株式市場大暴落の6月に証券委の自社株を売却しないようという勧告に違反して自社株を売却したと言う理由で、総経理を罷免されたと中国証券網が報じています。 

更に証券委は本日自動取引の24の口座に対して、頻繁に買いや売りを申込み、またすぐにこれを撤回することを繰り返し行い、その他の投資家の投資決定に影響を与えるとして、取引を制限すると発表しました。 

上海深セン両市場の出来高は2015年3月17日に、1兆5000億元の大台に初めて乗せたのを皮切りに5月25日には、2兆元、5月28日には2兆4200億元の史上最高を記録しています。 

ちなみに、アメリカ市場(ニューヨーク・ナスダックを含めて)の出来高最高額は2006年10月20日の2328億米ドルで、人民元にして1兆4000億元に当たることを考えると、A株の出来高は世界最高を記録したと言えます。 

世界取引所連合(WFE)によりますと、2015年5月中国A株市場の出来高は5兆米㌦に対して、アメリカの当月の出来高は2兆1000億米㌦になっているという。 

しかし、中国A株の時価総額凡そ10兆米㌦に対してアメリカの時価総額は3倍近い27兆米㌦に達しています。このことからも明らかになっているように、中国株式市場の高い売買頻度、高いレバレッジ、また市場の投機性が改めて浮き彫りになっています。 

こうした投機筋によるかく乱要素のほか、現在進められている腐敗取締キャンペーンの影響も見逃してはなりません。取り締まりの対象は政府のポストについている役人ですが、経済改革の30数年で、企業からの「献金」を多少なりとも「頂戴している」役人も多く、取締はいつ自分の番になるか「戦々恐々」の毎日を送っている人も多くいるのも事実ですが、一方、「献金」側の企業の人も取り締まり対象の役人からいつ自分の「献金」を暴露されるか、これもまた不安続きで、どちらも経営やイノベーションよりもまずは保身第一で、様子見をしながら不作為の毎日となっていると言います。 

市場の不安要素を取り払い、また企業人に安心して経営に専念させるためにも、取締を一段落させて法的枠組みを早急に立上げ、法的秩序の下で役人、企業人ともに安心して仕事に取り組める環境づくりが大事かと考えます。

中国株がしばらく1本調子で上がることもなさそうです

 

 

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1本調子には行かない中国株」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0PASS:2022年冬季オリンピックが北京に決まりましたね。市場がまた荒れそうだ。嬉しいような悲しいような。

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